冬はエアコンに加えて、さまざまな暖房アイテムを使っていた方も多いのではないでしょうか。そろそろ暖かい日も増えてきて、少しずつ防寒グッズを仕舞い始める家庭も多いでしょう。電気毛布や電気湯たんぽなど、室温や個別の体感にあわせて使う暖房アイテムは、カバーが洗濯可能なものも多くあります。今回は、片付けとお掃除のプロである筆者が「洗える暖房アイテムの冬仕舞い」について解説します。
電気毛布
筆者宅の暖房は、部屋全体を暖める「床暖房」と、個別に狭い範囲を暖める「電気毛布・USBホットマット・充電式電気湯たんぽ」を組み合わせていました。そろそろ暖かくなる時期。洗えるものはすっきり洗濯してから「冬仕舞い」をしていきましょう!
お使いの商品の仕様にもよりますが、最近の電気毛布は手洗いや洗濯機の手洗いモードで洗えるタイプが多いです。ただし、たたき洗いをするドラム式洗濯機は、生地や本体内部のヒーターを傷めるおそれがあるため、洗濯不可の場合があるため、しっかり確認しておきましょう。
洗濯表示を確認しよう
まずは、洗濯表示を確認してみましょう。本体に縫い付けてあるタグや取扱説明書をチェックしてください。
洗濯表示は2016年に日本独自の表示規格から、国際規格にあわせた表示に変更になったことはご存じでしょうか? 新しい洗濯表示は「5つの基本記号+付加記号・数字」の組み合わせでできています(※1)。
5つの基本記号
洗濯、漂白、乾燥、アイロン仕上げ、商業クリーニングの5つの基本記号があります。
強さ、温度、禁止を表す付加記号
洗濯作用(機械力)の強さ……「線」の数で表記する。なしは通常、1本は弱い、2本は非常に弱い
アイロンや乾燥の温度……「点」の数で表記し、1つは低温、2つは中温、3つは高温
数字……家庭洗濯での洗濯液の上限温度を表わす
禁止……バツ印で表記し、基本記号との組み合わせで禁止を表わす
お持ちの暖房製品の表示をしっかり確認してみてくださいね。
電気毛布の洗濯方法
(1)コントローラーを外し、畳んで洗濯ネットに入れる
筆者宅では、本体プラグ部分を内側に折り込んでからジャバラ状に畳み、洗濯ネットに入れておきます。他の洗濯物とは別にして洗ってください。
(2)「毛布洗いコース」を選択して、洗濯スタート
洗濯ネットに入った毛布は「毛布洗いコース」か、「手洗いコース」「おしゃれ着洗いコース」などの弱流コースを選択。
洗剤:液体の衣類用洗剤(中性)
洗濯時間:~12分以内
脱水時間:30~60秒程度
脱水は1分程度と短いため、まだ水分の多い状態ですが、ねじったり絞ったりするのはNG。本体内部のヒーターがねじれて、よれたり重なってしまうことがあるからです。ヒーターがねじれてしまうと、重なった部分が高温になり、低温やけどの原因になる可能性があるそうです。
【手洗いの場合】
ドラム式洗濯機を使っている場合や、お使いの電気毛布が洗濯機使用不可の場合は、手洗いをしてみましょう。
まず、コントローラーを外して折りたたみ、洗面台や洗濯桶に洗濯表示にある温度の洗濯水を溜めて、やさしく押し洗いをします。次に、きれいな水に変えて十分にすすぎをして、静電気防止のため、柔軟仕上げ剤でもう一度すすぎます。本体プラグに洗剤が残らないよう、プラグも最後にしっかりすすいでください。
脱水は、浴槽のふちなどにかけて水を切るか、洗濯機を利用する場合は洗濯用ネットに入れた状態で行いましょう。
(3)日陰で干す
脱水後、すぐ洗濯機から取り出し、物干し2本を使って「M字」に干しておくと風の通りがよくなります。水分が多く重たいので、途中で表裏をひっくり返すのがおすすめです。
電気毛布は、乾燥機の使用はできませんのでご注意ください。洗濯表示に「日陰の吊り干し」と指定があれば、色褪せや変色を防ぐため、日陰で自然乾燥をしてくださいね。
電気毛布が乾いたら、光に透かしてヒーターにねじれがないか確認します。もしねじれてしまった箇所がある場合はメーカー窓口に相談し、必要に応じて修理を依頼しましょう(※2)。
(4)次のシーズンまでの保管方法
電気毛布の収納方法は、電源コードと一緒に収納ケースに入れて、湿気の少ないところに保管しておきます。その際、ナフタリンや防虫剤はコードやコントローラーを傷める可能性があるため、使用しないよう注意してください。
USBホットマット
今年の冬に新しく購入し、デスクワーク中に大活躍したUSBホットマット。薄くて小さめな電気毛布のようなもので、パソコンのUSBにつないでスイッチを押すと、ひざや腰回りを暖めるのにとても役立ちました。
ホットマットも、電気毛布と同様にネットに入れて洗濯可能なものがあります。お使いの方は、製品の取扱説明書を必ず確認してみてください。
筆者が使用しているものの場合、洗濯の際はUSBプラグに保護キャップを付けて、マットのポケットに収納しファスナーをしめます。ネットに入れて洗濯し、脱水後は強く絞らず、風通しのよい場所で干しましょう。
電気湯たんぽ
電気湯たんぽの保温カバーも、電気毛布と同様に洗濯表示を確認してから洗濯します。
電気式ではなくお湯を入れるタイプの湯たんぽの場合、水分が残ったまま長期間保管すると、カビが発生する可能性も。シーズン終わりには湯たんぽに入っている水分をすべて出して、中までしっかりと乾燥させておくようにしましょう。
まとめ
暖房の節約のためには、暖めたい場所にあわせて、電気代が少ない暖房アイテムを上手に使い分けていきたいですね。電気毛布や湯たんぽは、電気代を抑えて暖かく過ごすためにぴったりのアイテムです。しかし、それらを洗濯せずに汚れたまま仕舞ってしまうと、ダニや虫が発生してしまったり、汚れが付着した部分にカビや嫌な臭いがついてしまうかもしれません。
来年も気持ちよく使うためには、洗濯表示や内部ヒーターに注意する洗濯方法をきちんと知って、正しくお手入れしておくことがとても大切です。各製品の取扱説明書をしっかりご確認の上、お手入れをしてみてくださいね。
【参考】
※1 政府広報オンライン.衣替えの季節です。あなたは正しく洗濯していますか?
※2 Panasonic.電気毛布の洗濯のしかたは
筆者情報
のぞみ
シンプル志向の整理収納アドバイザー・ライター。クリンネスト1級。「暮らしもこころも かろやかに」をテーマに、ものとじぶんとゆっくり向き合える、続けやすい暮らしのちいさな仕組みを提案しています。Instagram@non.karoyakani
文/のぞみ