なぜ春バテになるの?原因やおすすめのセルフケアについて

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「春になると、なんだか体調が優れない……」と、春ならではの心身の不調に悩む方も多いのではないでしょうか。

春に疲れや不調を感じやすい状態は「春バテ」とも呼ばれます。

今回は、春バテの症状や原因、予防につながるセルフケアについてあんしん漢方薬剤師碇純子さんに詳しく解説していただきます。

春バテによる症状

悩む女性
出典:Pixabay

春は異動や転勤、入学などの新生活に関連したイベントの多い季節。

生活環境の変化によるストレスで、心身の悩みを抱えることがあります。

また、寒暖差の激しい日が多く、体調を崩しやすい時期です。

このように、春の訪れとともにさまざまな心身の悩みや不調を抱える状態は「春バテ」と呼ばれます。

春バテになると、疲れがたまりやすかったり、免疫が低下してかぜをひきやすくなったりします。

また、自律神経の乱れにより、胃腸機能の低下やからだの冷え、睡眠の質の低下などを引き起こすこともあるのです。

春バテの原因!気象病のメカニズムについて

悩むかえる
出典:Photo-ac

春バテは激しい寒暖差や気圧の変化が原因で起こることから、気象病とも呼ばれます。

気象病が起こるメカニズムには、自律神経の働きが深く関係しているのです。

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。

交感神経は、からだを活動的な状態に保つ役割を持ち、一方で副交感神経はからだをリラックスさせる役割を果たします。

これら二つの神経は、通常、バランスを取りながら、心身の状態を整えています。

しかし、春になると寒暖差が激しくなったり、気圧の変動が頻繁に起こったりすることで、自律神経のバランスが崩れがちに。

とくに、交感神経が過剰に反応すると、からだは常に「活動モード」になり、その結果、エネルギーを多く消費して疲れやだるさを感じやすくなるのです。

また、気圧の変化が頻繁に起こると、自律神経の切り替えがうまく行かずに不調を抱えやすくなります。

春バテにおすすめのセルフケア

春バテの食事
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ここでは春バテにおすすめのセルフケアを3つ紹介します。

いずれも、すぐに取り組めるので、ぜひ実践してみてください。

耳の周りの血流を促す

耳を軽くつまんで円を描くようにくるくる回すと、耳の周りの血流を促進できるため、春バテが和らぐ可能性があります。

耳の奥にある内耳は、気圧の変化を感知するセンサーのような役割を果たします。

そのため、耳の周りの血流を促進して内耳の血液循環を改善すると、気圧の変化による春バテの症状を軽減できる効果が期待できるのです。

食事のバランスを整える

食事のバランスを整えると自律神経が乱れにくくなるため、春バテ対策としておすすめです。

食事は1日3回食べるようにして、ビタミンAやビタミンCなどのビタミン類をしっかり摂りましょう。

また、カルシウムにはイライラや不安を抑える効果が期待できます。

春バテで心の状態が不安定になった場合は、乳製品や小魚でカルシウムを摂るように心がけてみてください。

適度に運動をする

適度に運動をすると血流を改善できるため、春バテによるからだの冷えを軽減する効果が期待できます。

ヨガやジョギング、ウォーキングなどの軽めの有酸素運動で汗を流すと、自律神経のバランスも整いやすくなります。

ただし、春バテで体調が優れない場合は、無理に運動をせずに休息を心がけ、まずは体調の回復を目指しましょう。

春バテによる不調には漢方薬もおすすめ

漢方薬
出典:Unsplash

春バテによる心身の不調には、漢方薬の利用もおすすめです。

春バテが起こる原因として、気象の変化による自律神経の乱れや血行不良が考えられます。

自律神経の乱れを整えたり、血行不良を改善したりする効果が期待できる漢方薬を選び、春バテになりにくい体質を目指しましょう。

春バテによる心身の不調におすすめの漢方薬を紹介します。

<春バテによる心身の不調におすすめの漢方薬>

柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

からだにたまった熱を冷やすことで、高ぶった気持ちを落ち着かせる漢方薬です。
ストレスによる精神症状や動悸、高血圧などに用いられます。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

上半身にたまった熱を冷ますことで、不安定な精神を落ち着かせる漢方薬です。
気分の落ち込みやイライラなどに用いられます。


漢方薬は自身の体質に合ったものを使用することが大切です。

体質に合わない漢方薬を使用すると副作用を起こすこともあるため、注意しましょう。

副作用を避けるためにも、プロに相談して適した漢方薬を選んでもらうことをおすすめします。

春バテになったらセルフケアを実践しよう

春バテは春の季節ならではの気象や環境の変化で起こります。

日ごろから食事に気を付けたり、適度に運動をしたりすると春バテによる不調の軽減につながります。

本記事で紹介したセルフケアを実践しながら、春バテによる不調を乗り切りましょう。

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。
現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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