徐々に暖かい日も増えてきて、春服を新調したりコーディネートを変えたりしている人も多いのではないでしょうか。アイテムの組み合わせを考える際、ちょっとしたポイントで一気に垢抜けて見えたり、着回しがしやすくなったりすることも。今回はパンツに注目して、ファッションライターが実践するコーデテクと、anan Beauty+ clubのメンバー約100人に聞いたおすすめのボトムスをご紹介します。
垢抜けて見える「パンツの長さ」を徹底検証
溺愛中のユニクロ2大パンツでシルエットを比較
ファッションライターの筆者が愛用している『ユニクロ』のパンツで着こなしを比較していきます。
左側が一昨年の初秋に購入した初代、「タックワイドパンツ」のMサイズ。一昨年は、今よりもテーパードパンツのシルエットが人気だったこともあり、スッキリ見えも叶うMサイズを選びました。
右は去年の冬に購入した「ブラッシュドジャージータックワイドパンツ」でサイズはLです。年々ワイドパンツのボリュームがアップしていき、ユルッと少しルーズに穿きたかったことと、ニットをウエストインして着たかったのでLサイズを選びました。見比べると「ブラッシュドジャージータックワイドパンツ」の方が長さがあり、太めのシルエットだとわかりますね。
パンツの着丈選びのポイントは?
夏も穿ける生地ならサンダルが似合う着丈を意識して
たとえば「タックワイドパンツ」は、真冬よりは真夏に穿きたくなるような、ツルッとした生地が特徴的です。パンツは足元とのバランスが洗練見えのわかれ道。通年穿きやすいパンツは、サンダル(素足)と合わせたときにどう見えるかを意識するのがおすすめです。
起毛感のあるパンツはブーツやパンプス、スニーカーとのバランスをチェック
「ブラッシュドジャージータックワイドパンツ」のように起毛感のある冬素材のパンツなら、足首が見えていると寒そうで“ツンツルテン”な印象になりがち。ブーツやスニーカー、パンプスとのバランスを考えながら着丈を選ぶのが正解です。
スニーカーに合わせるなら緩めのシルエットが今っぽい
同じコーデで比較してみましょう。左が「タックワイドパンツ」、右が「ブラッシュドジャージータックワイドパンツ」です。どちらもシルエットがまっすぐで素敵なのですが、きれいにまとめるよりも緩めの方が今っぽい雰囲気に。右のように、スニーカーの靴紐の結び目が隠れるくらいまでの長さがあるときれいです。
短い丈はくるぶしが隠れる靴を。フラットシューズはパンツの長さが大事
こちらも左が「タックワイドパンツ」、右が「ブラッシュドジャージータックワイドパンツ」です。丈が短めのパンツは、ハイカットのスニーカーやショートブーツを合わせて、短さがわかりにくいように穿くのがコツです。同じ色のブーツでつなぐと、短めのパンツも悪目立ちしません。
フラットシューズは、長いパンツを選ぶと裾を引きずってしまうこともありますよね。「ブラッシュドジャージータックワイドパンツ」とフラットシューズを合わせたところ、身長167cmでLサイズだと引きずることがなくスッキリしました。パンツとフラットシューズを実際に合わせてみて、パンツが長すぎないかをチェックするのがおすすめです。
テーパードパンツはくるぶしを見せた方が好バランス
足首に向かって細くなるシルエットによってスッキリと見えるテーパードパンツは、くるぶしが見える丈の方が好バランス。パンツのシルエットによってバランスを確認すると、より「しっくりくる」コーディネートにたどり着けると思います。
※ 文・桐生奈奈子
※ 2024年1月日配信
一気に垢抜ける「パンツの太さ別コーデ」
パンツコーデのバランスを決定づけるのは「腰回りと裾の幅」
パンツコーデのバランスを決定づけるのは「ヒップラインのシルエット」と「裾幅」。ラップパンツやワイドパンツで「どう合わせたらいいか」を参考にしても、それぞれの特徴が微妙に違っているので、自分の持っているパンツにはしっくりこない……ということもあるはず。今回は、テーパードパンツや太めパンツの中でもタック入りの有無、カーブパンツで検証してみましょう。
裾に向かって細くなるテーパードパンツ
わかりやすいのは、裾に向かって細くなるテーパードパンツ。足元がスッキリとしたシルエットになるので上品に見えます。
ヒップラインが隠れるシルエットが好バランス
テーパードパンツは、ヒップラインが隠れるトップスと好相性。シャツをウエストインしないで着たり、ペプラムシルエットのブラウスと合わせるのにもぴったりです。着丈の長いオーバーサイズのスウェットやロングカーディガンと合わせるのもおすすめ!
タックなし・ワンタックの太めストレートパンツ
太めのパンツはタック入りの有無でヒップラインのボリュームに違いが出ます。何にでも合わせやすく、万能とされるのは「タックなし・ワンタック入りの太めのストレートパンツ」。
太めのシルエットはもともとボトムにボリュームが出るので、ウエストインしたほうがきれいに見えるトップスがマッチするのはもちろん、スリットの入った丈の長いトップスをゆるっと着たスタイルにもハマります。裾が広がりすぎないので、太めのパンツでもしっくりくるというわけです。
ショート丈トップスも少し長めの着丈も万能
ストレートデニムだともちろんカジュアルになりますが、ストレートシルエットのスラックスもイチオシ。ユニクロでロングヒットしている「タックワイドパンツ」もここに分類され、ウエストイン・アウトしやすいのが想像できるのではないでしょうか。
ツータック入りのワイドパンツ
ツータックが入ったボリュームのあるパンツは、ボトムに存在感が出るので、トップスはコンパクトにまとめるのが正解。
薄手のニットをウエストインがベスト
ツータックパンツに合わせやすいのは、ウエストインできる薄手のニットやTシャツ、カットソーなど。凝ったデザインでなくベーシックなトップスでもボトムのシルエットに個性があるので、オシャレに見せることができるのが特徴です。もちろんショート丈のトップスともバッチリ!
腰回りは太く裾が細いカーヴィーパンツ
最近増えているのが、ヒップラインにゆとりがあり、裾が絞ってあるパンツ。今年は例年以上にヒップラインにボリュームのあるボトムが出ているように感じます。トップスはウエストインか、ショート丈のトップスと合わせるとバランスがよさそうですよね。
ショート丈トップスorウエストインでメリハリあるスタイルを
ウエストインしない場合のトップスの判断基準は、着たときに「腰骨にかかるか」をチェック。カーヴィーなシルエットがきれいなカーブパンツは、ヒップラインを見せたほうがきれいなので、トップスがパンツのヒップラインの広がりに隠れないものを選ぶのがおすすめです。
※ 文・桐生奈奈子
※ 2024年2月11日配信
女性約100人調査「“黒パンツ以外”で着回し力の高いボトムス」
着回し力が高いボトムスといえば黒パンツですが、それ以外にも持っていると便利なボトムスも。anan Beauty+ clubに所属する、美容やファッション好きな女性約100人に、“黒パンツ以外”で着回し力が高いと感じた「ボトムス」について聞いてみました。
ユニクロのデニム
「トップスインしなければ流行に左右されず使える気がしている。ストレッチが効いていて楽なのもさすが」(37歳・会社員)
黒パンツだけでなく、デニムも人気のユニクロ。デニムはトレンドに左右されづらいので、定番の型を取り入れておくと便利です。
ZARAのカラーパンツ
「フリルのある白トップスにもTシャツにも合う」(34歳・会社員)
カラーパンツは今年のトレンドのひとつ。カラフルなアイテムは難しい印象があるかもしれませんが、カラーパンツは着回し力が高いのだそう。今年のうちに挑戦しておきたいところです!
GUのダメージデニム
「GUのダメージデニム。ちょうどいいダボッと感で、流行りのクロップド丈トップスとの相性がいい」(30歳・会社員)
ダメージの入ったデニムは、今年に入ってよく見かけるようになりました。こうした流行りのアイテムはプチプラ買いが賢い! 流行りのうちにたくさん着ておきたいですね。
ハーリップトゥのマーメイドスカート
「ラインがとてつもなく美しいので、どんなトップスでもきれいに仕上げてくれます。Tシャツでカジュアルダウンしても可愛いし、とろみトップスでヒールを合わせてきれいめもいける」(37歳・会社員)
形がきれいなスカートが1枚あると、コーディネイトの幅が広がりそう。きれいめのスカートにあえてカジュアルなトップスを合わせた、トレンドライクな着こなしが人気です。
プレージュのサテン風パンツ
「何にでも合わせやすいので、重宝しています」(31歳・会社員)
サテン風の生地は光沢があるため、コーディネイトを上品に見せてくれる効果があります。カジュアルにTシャツを合わせても大人っぽく見えるので、意外とラフに着こなせるのが嬉しいポイントです。
しまむらのウエストゴムデニム
「産後お腹が苦しいのがダメになってしまったので、買ってみたらすごく便利だった!」(32歳・主婦)
ウエストが苦しいボトムスは履くのがおっくうになり、どんどんクローゼットの奥底へ…。ウエストゴムなら多少体型が変化しても着られるので、そういった意味では着回し力が高いといえそうです。
※ 文・比嘉桃子
※ 2022年7月8日配信
パンツ選びにこだわってもっとおしゃれに!
いかがだったでしょうか? 普段のコーディネートでパンツを合わせる際、ぜひ今回の着こなしや選び方を参考にしてみてくださいね。
©SomeMeans/gettyImages
文/桐生奈奈子、比嘉桃子 再編集・Natsu