「東洋医学的ダイエット」を解説!体質別にアプローチする方法|薬剤師監修

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ダイエットにはさまざまな方法がありますが、東洋医学的な考えをもとにしたダイエットもおすすめです。

東洋医学的なダイエットを行うためには、まず体質を見極める必要があります。

今回は、体質の分類と特徴や、体質ごとに異なるダイエットの方法についてあんしん漢方薬剤師の山形ゆかりさんに解説いただきます。

体質別ダイエットとは

はてなと男女
出典:Photo-ac

体質は人それぞれ異なり、体質ごとにバランスを整えて不調の改善をめざすのが東洋医学や漢方医学の考え方です。

漢方でダイエットを行う場合、直接的に脂肪を落とすというよりも、太りにくい体質を作るということが目標になります。

3つに分かれる体質の分類

女の子三人
出典:Unsplash

漢方には、「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という基本概念があります。

気はエネルギー、血は血液や栄養、水は血以外の液体を指し、このどれかが不足したり停滞したりすることでからだはバランスを崩し、不調におちいります。

太りやすい体質も、気血水のバランスの崩れによるものです。

漢方では、乱れた気血水のバランスを整えることがひとつの目標になります。

まずは、ダイエットにおいて重要な3つの体質の特徴を解説します。

気虚(ききょ)

「気虚」は、エネルギーが不足している状態で、疲れやすく、休んでも疲労がなかなかとれません。

また、筋肉量が減ってしまい、顔やおなかに脂肪がつきやすく、大して食べていなくても太りやすい体質です。

精神的にも気力がなくなってしまい、ネガティブで鬱傾向になる場合もあります。

ウイルスへの抵抗力も弱まるので、風邪などの感染症にもかかりやすくなるでしょう。

手足は冷たく、からだ全体が冷えやすく、胃腸も弱くなって食欲不振の傾向になります。

痰湿(たんしつ)

「痰湿」は、からだに余分な水がたまっている状態で、熱がこもる場合と、からだが冷える場合があります。

色白でぽっちゃりとした水太りタイプで、むくみ、だるさ、めまいなどが目立ちます。

また、たまった老廃物は吹き出物などの原因に。

さらには、脂質異常症や糖尿病など、重い病気につながる場合もあります。

瘀血(おけつ)

「瘀血」は、血の巡りが悪くなっている状態で、全身にしっかり栄養素が行き届いていません。

熱が運ばれないのでからだが冷えてしまい、顔色が悪く、頭痛や肩こりなどの不調
が見られます。

また、老廃物がきちんと排出されず、内臓に脂肪がたまりやすくなるのです。

皮膚トラブルも起きやすく、ニキビやシミを招きます。

体質別おすすめダイエット

ランニングする女性
出典:Pixabay

気虚、痰湿、瘀血、それぞれの体質別のダイエット方法について見ていきましょう。

気虚

気虚タイプは、エネルギーの気が不足している状態なので、食事制限するダイエットは逆効果です。

冷たいものよりも温かいものを適度に摂取しましょう。

消化吸収がよく、温かいものの定番であるうどんやおかゆのほか、鶏肉や牛肉などの脂の少ない肉もおすすめです。

ただし、食べすぎは消化器官に負担がかかるため気をつけましょう。

汗をかくような激しい運動ではなく、ウォーキングなどの軽い運動や、手足の筋トレでからだを鍛えるのがおすすめです。

適度な運動は、消化吸収を担う「脾(ひ)」のはたらきを高め、水分代謝を活性化させます。

痰湿

痰湿の方は、不要な水分がからだにたまっている状態なので、水分の摂りすぎに注意しましょう。

また、脂っこいものや、味の濃いものも控えめにしましょう。

利尿作用を高める食材であるレタスやトウモロコシがおすすめです。

食事バランスを考えたうえで、意識的に摂取してください。

余分な水分を排出する方法としては、ジョギングや水泳などの、少し激しめの有酸素運動がおすすめです。

汗を運動でたっぷりと流し、不要な水分を押し出しましょう。

運動によってからだが温まると、血行改善も期待できます。

瘀血

瘀血タイプは血流が悪くなっている状態なので、脂肪分解酵素であるリパーゼもはたらきにくくなっています。

食事と運動習慣で血流改善を
心がけましょう。

脂肪分の多い食材を避けつつ、青魚や玉ねぎなどの、血液をサラサラにする食事を中心に栄養バランスを考えましょう。

血の巡りを改善するには、からだを温めることも大事です。

手足の運動やウォーキングなどの軽い運動が血液循環をよくしてくれます。

また、瘀血は過度なストレスも原因です。

ストレスがたまらないように、気晴らしになるような趣味を見つけ、ゆっくり休息をとることも大事です。

ダイエットには漢方薬の併用もおすすめ

漢方薬
出典:Photo-ac

ダイエットには、漢方薬の併用もおすすめです。

漢方は、太りにくく痩せやすい体質へ根本からの改善が期待できます。

食生活や運動習慣を見直すのが難しい方でも、漢方薬なら毎日飲むだけなので、持続しやすいでしょう。

ダイエットには、「基礎代謝を上げて、運動の効率をよくする」
「余分な脂肪の吸収を抑えつつ、燃焼を促す」
「自律神経を整えてストレスによる過食を防ぐ」といった漢方薬を選びます。

ダイエットにおすすめの漢方薬をご紹介します。

<ダイエットにおすすめの漢方薬>

大柴胡湯(だいさいことう)

気の流れをよくして、余分な熱をとり除き、脂質代謝を改善します。
ストレスが原因で食欲が増してしまう場合にも適している漢方薬です。
便通をよくして老廃物を排出します。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

色白で水太りタイプの方に適している漢方薬です。
水分代謝を促して余分な水分を排出し、胃腸のはたらきを高めて、水太りやむくみを改善します。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

おなかに皮下脂肪が多く、便秘がちな方に適している漢方薬です。
脂質代謝機能を高めます。血流や水分代謝を促しつつ、腸内にたまった熱を冷まし、便秘の解消を期待できます。


漢方薬は、体質との相性が重要です。

体質を見極めるためにも、服用の際は医師や薬剤師にサポートしてもらいましょう。

まずは体質を見極めてダイエットにとり組もう!

東洋医学的ダイエットは、体質ごとに方法が異なります。

気虚、痰湿、瘀血など、自分の体質を見極めてから、ダイエットにとり組みましょう。

<この記事を書いた人>

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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