たとえば急に立ち上がるときや、物を持ち上げようと踏ん張ったとき。人には言いづらいけれど尿漏れの心配をしたことはありませんか? 今回はヨガインストラクターの筆者が、尿漏れやぽっこりお腹の予防にもなる、「骨盤底筋を鍛えるための簡単習慣」をご紹介します。
骨盤底筋は“弾力を取り戻す”ことが大切
ふとした瞬間の尿漏れや、ポッコリとした下腹など、下半身のデリケートな悩みが増えてくるのが、大人世代。なかなか人にも言いづらいので、自分でなんとかしたいと思う方が多いですよね。
そこで出てくるキーワードが「骨盤底筋」。年齢を重ねたら鍛えよう! という声を聞くことも多いのではないでしょうか。ただ、冷えや骨盤の歪みなどでカチカチに固まっていたり、凝っていて弾力を失っている場合も多いようです。また、鍛えようとしても骨盤底筋を上手く動かせない、そもそも鍛え方がわからないという方も、たくさんいるのではないでしょうか?
骨盤底筋において大切なことは、弾力を取り戻すこと。そして骨盤を本来の正しい位置に戻し、姿勢を整えれば、骨盤底筋は自然と働きやすくなるはず。鍛えるよりもまず整える、その方法をお伝えします。
骨盤は立てる
骨盤がゆがんでいたり、後傾・前傾していると、骨盤底筋を鍛えるトレーニングをしてもうまく動かせません。まずは日々の生活の中で、骨盤を床に対してまっすぐ立てるよう意識しましょう。ポイントは肛門を真下に向ける意識です。
とはいえ、骨盤が傾いた姿勢が定着している人は、骨盤周りの動きが悪く、骨盤を立てる姿勢が辛いはず。その場合は、毎日の隙間時間を利用して、股関節を回すのがおすすめです。方法は、両脚を適度な広さに広げて、脚の付け根から横に円を描くように回すだけ。腰回りの筋肉がほぐれて、骨盤が立ちやすくなりますよ。骨盤を本来の正しい位置に整えることはポッコリお腹の改善にも効果が期待できます。
ポッコリお腹にも! 骨盤を整え弾力を取り戻すトレーニング
1.仰向けに寝ます。
2.両膝と足先をウエスト幅程度に開き膝を曲げ脚を立てます。
3.両腕は体側におろしましょう。
4.骨盤を少し丸める意識で背中と腰を床にぴったりくっつけます。
5.息を吸いながら腰が浮かないように注意し、両脚を天井方向に伸ばしながら両腕を頭上へ。
6.自然に下腹に力が入るのを確かめましょう。
7.息を吐きながら両腕と脚を下ろし、足の裏が床に下りたら、お尻を持ち上げます。
8.膝が開きすぎないよう注意しながら、太もも、お腹、肋骨のラインがまっすぐになるところまで持ち上げます。
9.お尻、太ももの後ろと内側に自然と力が入るのを確かめましょう。
これを1セットとし、5~10回繰り返します。
慣れてきたら、5、8のポジションのときに、膣をお腹の奥に引き上げるよう意識してみてください。動作を変えるときは力をゆるめて、ポーズをきめるときは力を入れるのがポイントです。
日々の意識とともにケアも取り入れて
硬くなってしまった骨盤底筋は筋力を鍛えようとしても動きづらく、感覚もわかりません。まずは日々の姿勢の意識と、弾力を取り戻すケアをしましょう。段階を踏みながら慣れていってくださいね。
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筆者情報
上村由夏
「マナヨガ」代表。20代の頃、ストレス過多で喘息が再発。ヨガセラピーを学び始める。 現在はヨガで重要なエネルギーワークのエッセンスが残る古代ヨガをベースにしたセラピーと、日本古来の体の使い方ナンバのエッセンスを利用し、骨格を整える姿勢ケアをホリスティックな視点で体系化した【マナセラピー】を全国を出張しながらレッスンをしている。 2023年より「心と体と女性の生き方」講座として日本人古来の豊かな感性と心体の整え方、これからの時代のウェルビーイングを提案する【美道】講座を開講。
文 / 上村由夏