9月1日は防災の日。災害に備えるべきだと頭では分かっていても、つい後回しになっているという人も多いのではないでしょうか。また、防災グッズは用意していても、定期的に見直している人は少ないはず。そこで今回は“防災”をテーマに、anan Beauty+ clubのメンバー約100人の防災グッズ最新事情と、医師監修の「備えておくべき医薬品」をご紹介します。
女性約100人調査「防災グッズ最新事情」
防災グッズ持っていますか?
※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。
まずは、自宅に防災グッズを用意しているか聞いたところ、67%の人が「YES」と回答しました。一方で、33%の人は「NO」と回答。防災グッズを備えていない理由を教えてもらいました。
「どこまで用意していいかわからない」(34歳・会社員)
「カセットコンロと水は防災用ではなく常にあるから、その二つがあれば何とかなると思っている。あと、部屋が狭いので置き場がない。」(39歳・無職)
「必要だと思うけど、準備する優先順位が高くない」(34歳・会社員)
防災グッズが必要と感じていても、時間やお金がかかると二の足を踏んでしまいますよね。私は心配性なので、1度備えを始めるとあれもこれもとキリがなくなってしまい、時間とお金に加えて、広いスペースも必要になりました。
また、防災グッズは今すぐ使うものではないという点が、ついつい用意を先延ばしにしてしまう理由の1つになっているかもしれません。
災害時の必需品
続いて、防災用にどんなものを用意しているのか、具体的なアイテムを教えてもらいました。
「日持ちする食品、バッテリー系」(39歳・専門職)
「水、乾パン、下着、生理用品、ポータブルトイレ、タオル」(31歳・会社員)
ほとんどの人が用意しているのが、水や非常食です。やはり、飲み水や食料は欠かせません。
その他に目立ったのが、電池やモバイルバッテリーです。情報を入手したり、家族と連絡をとったりするのにも、スマートフォンは重要ですよね。特に、災害時は停電が起きる可能性もあるので、電池やモバイルバッテリーは備えておきたいアイテムです。
また、女性ならではの防災グッズとして、生理用品や下着などを用意している人もいました。食料などに比べ、生理用品などは支援が届くまで時間がかかるケースもあるので、自分で準備しておくと安心ですね。最近は、女性向けの防災グッズをセットにした商品も販売されているので、チェックしてみてください。
100均でも手に入るおすすめアイテム
普段はあまり出番がない防災グッズは、できるだけ費用をかけずに集めたいですよね。100円均一ショップなどでも簡単に手に入るアイテムを聞いてみました。
「アルミシート」(39歳・専門職)
「100円均一のものでもいいですが、歯ブラシはホテルでもらったものを入れている」(39歳・専門職)
アルミシートは防寒断熱に優れていて、フローリング床の冷え対策に敷く人が多いようです。体全体を包むことができる大きなアルミシートも売っているので、防災用にも用意しておくと安心ですね。調理用のアルミホイルでも、足先など冷えが気になる箇所に巻いて使うことができます。
また、ホテルなどでもらった無料のアメニティを防災グッズに活用するのもいいアイデアですね。
普段の食事もサブスクで防災グッズに
防災のためだけにグッズを用意するのは腰が重いという人も、普段から使っているものを、災害時も活用できたら嬉しいですよね。家にあるもので代用できそうな防災グッズを教えてもらいました。
「カセットコンロ。レトルトカレーやお粥」(39歳・無職)
「エコキュートの水。カップ麺」(32歳・会社員)
カセットコンロは、お鍋を食べる時など、普段から使っているという人も多いのではないでしょうか。防災リュックなどに入れておくのは難しくても、自宅での避難生活中であれば、停電時などに活躍しそうです。
また、レトルト食品やカップ麺などは、普段から常備している人も多いですよね。こうした保存食を日常的に消費しながら、食べた分を買い足し、常に備蓄しておく「ローリングストック」の考え方が広がってきていて、最近は、カップ麺や缶詰のサブスクサービスも始まっています。気軽に保存食を用意できるだけでなく、賞味期限切れの心配もないので嬉しいサービスですね。
※ 文・高橋あやか
※ 2023年3月11日配信
【医師監修】防災グッズに「備えておくべき医薬品」
非常時に備えるべき薬
1.病院から処方されている薬
準備しておくものとして優先度が最も高いのは、持病などで普段から飲んでいる医薬品です。他の薬とは違ってなかなか手に入れられないこともあるため、緊急時にスムーズに持ち出せるように、1週間分程度、防災グッズに入れておくと安心ですね。
2.解熱鎮痛薬
解熱鎮痛薬も、常備薬としてストックしておきたいものです。災害時月経がかぶったときの生理痛対策としても使えますし、災害時のストレスで頭痛や腰痛が起こったときにも活躍しますね。一般的にはロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬、タイレノールなどのアセトアミノフェンなどがおすすめです。普段使用しているものだと安心ですね。
3.整腸剤
避難所生活になった際など、いつもとは違う食事を摂取しないといけなくなると、お腹の調子を崩すことがあります。また寒い季節だと、冷えによって下痢がちになってしまうこともあるでしょう。そういったときに活躍するのが、腸の調子を整えてくれる整腸剤です。乳酸菌が配合されている、ビオフェルミンなどがおすすめですね。ストレスで胃痛が起こりやすい人は、あわせて胃薬を、下痢しやすいひとは下痢止め薬も入れておくと安心でしょう。
4.便秘薬
災害時には、水分摂取が少なくなったり、運動量が減少したり、食事摂取が不規則になることによって、便秘がちになることもあります。代表的な便秘薬には、酸化マグネシウムやコーラックなどがあります。
5.ビタミン剤
避難生活が長くなる場合には、栄養バランスが崩れやすくなります。そのため、ビタミン剤があると安心ですね。ビタミン剤には、体調を整えたり、風邪をひきにくくなるなどの効果が期待できるでしょう。マルチビタミン&ミネラルなど、まんべんなく栄養を摂取できるものがお手軽ですね。
6.風邪薬
災害時には寒冷や不衛生な環境、慣れない避難所生活によるストレスで、風邪を引きやすくなることも。総合感冒薬などを用意しておくと安心ですね。
※ 文・産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
※ 2023年9月5日配信
今こそ防災グッズ、医薬品の見直しを!
災害はいつ起こるか予測できないもの。いざというときに困らないよう、ぜひこの機会に防災グッズ、医薬品の見直しをおこなってみてください。
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文/高橋あやか、ママ女医ちえこ 再編集・Natsu