【医師監修】将来子どもを望む方必見!妊活の基本ポイント

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将来子どもを望んでいる場合、妊活を考える人も多いでしょう。

しかし、妊活とは何をすればいいのか、よくわからないという人も多いのではないでしょうか。

今回は、妊活とは何なのか、妊活を行うときに押さえておくべきこと、妊活に向けた健康なからだづくりのポイントを、婦人科医の横倉恒雄先生とあんしん漢方薬剤師の木村英子さんに解説いただきます。

妊活とは

ハートの風船
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妊活とは、妊娠活動のことです。

明確な定義はありませんが、一般には、妊娠を望むパートナー同士が、赤ちゃんを授かるために取り組む行動をさします。

不妊は、女性だけでなく男性の原因であることもあるため、妊活は女性だけでなく2人で協力して取り組むことが大切です。

妊活で押さえるべき2つ

生理を連想させるもの
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まずは、妊活で押さえておくべき2つのポイントを解説していきます。

生理周期の把握

妊活に取り組むときは、生理周期を把握することが大切です。 生理周期とは、生理が始まった日から、次の生理が始まる前の日までの期間をさします。

(医学用語では、生理は“月経”と記載するのが正式ですが、ここでは一般的な会話でわかりやすい生理という言葉で記載します。)

生理周期がある程度一定の場合は、次の生理予定日のおおよそ14日前に排卵が起きるため、排卵日を予測することができます。

生理周期を把握していても排卵日が数日ずれることはよくあるため、気にし過ぎずおおまかに把握しておくといいでしょう。

妊娠を望んでいる場合、排卵予定日を意識して性交渉を行うと妊娠できる可能性が高まります。

生理周囲の記録や排卵予定日を忘れやすい場合には、アプリを使うのもおすすめです。

排卵日の予測

基礎体温を測定し、排卵日を予測することも重要です。

基礎体温とは、生命を維持するために必要な最小限のエネルギーしか消費していないときの体温のことです。

朝目が覚めて、からだを起こす前に婦人体温計を使って測定します。

できる限り毎朝同じ時間帯に測定するのがポイントです。

体調が悪い、前日遅くまで起きていたなど、普段と異なる状況があれば、一緒に記録しておくといいでしょう。

正常な生理周期の場合、生理が始まると卵胞が育っていく時期の「低温期」を経て排卵が起こり、排卵後の時期の「高温期」に変わります。

低温期の期間は人によって異なりますが、低温期と高温期の二相に分かれていれば排卵している可能性が高いと考えることができます。

実際は、基礎体温の測定だけで、排卵日を正確に予測するのは難しいです。

しかし、基礎体温を測定することで生活リズムが整い、からだの周期も把握できるため、妊娠しやすい健康なからだづくりに役立ちます。

今から始める妊娠に向けた健康体づくり

野菜
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妊娠に向けて、健康なからだを目指しましょう。

健康なからだづくりのポイントを3つお伝えします。

生活習慣の見直し

妊娠に向けたからだづくりのためには、規則正しい生活習慣が欠かせません。

食生活が乱れている場合には、1日3食、栄養バランスのよい食事を摂ることを意識しましょう。

ウォーキングやランニングなどの運動習慣をつけたり、質の高い睡眠をとったりなど、健康な生活を心がけることも大切です。

喫煙はからだに悪いだけでなく、不妊や早産、発育障害などの原因につながるため、妊活中は控えましょう。

また、飲酒については、妊娠前は適量であれば問題ないといわれています。

胎児の発達にアルコールは悪影響を及ぼすため、妊娠の可能性がある場合には飲酒も控えましょう。

葉酸の摂取

妊娠に向けた健康なからだづくりには、葉酸の摂取も重要です。

葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害の発生リスクを減らすのに重要な栄養素といわれています。

神経管の形成に重要な時期は、受胎後およそ28日といわれており、妊娠初期の女性だけではなく妊娠を望んでいる女性も必要量の葉酸を摂取することが推奨されている栄養素です。

妊娠を計画している女性の葉酸の1日あたりの推奨量は400μg※1とされています。

葉酸を豊富に含む以下のような食材を積極的に摂取しましょう。
  • ほうれん草
  • ブロッコリー
  • 枝豆
  • 納豆
  • いちご
食事からの摂取で足りない分はサプリメントで補うこともできますが、過剰摂取にならないよう注意が必要です。

冷え対策

健康的なからだづくりのために、冷え対策は欠かせません。

からだが冷えて血行が悪くなると、子宮や卵巣などの生殖器に十分に血液が届かず、冷えやすくなるといわれています。

また、葉酸や他の栄養素を摂取しても、血行が悪いと体内で運ばれにくくなることも。

さらに、からだが冷えると免疫力が低下し風邪を引きやすくなるため、からだを冷やさないようしっかり対策をしましょう。

冷え対策には、冷たいものの摂取を控え、生姜や根菜類、玉ねぎなどのからだを温める効果がある食材を積極的に摂るのがおすすめです。

湯船に浸かったり、定期的に運動したりすると、すぐにからだを温めることができます。

おなかや足などの下半身が冷えやすい場合には、夏でもブランケットや腹巻きを使って対策しましょう。

妊活でよく用いられる漢方薬

生薬
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妊娠に向けてからだのコンディションを整えるには、漢方薬の使用もおすすめです。

漢方薬は自然由来の成分でからだに優しく働くので、安心して妊娠しやすい状態を目指せます。

毎日決められた量を飲むだけと手軽なため、生活習慣の改善と一緒にうまく取り入れてみてはいかがでしょうか。

妊活には、次のような漢方薬が使用されます。

<妊活におすすめの漢方薬>

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

からだにたまった余分な水分を排出することで冷えを取り去るとともに、血流をよくして婦人科系の機能を高める漢方薬です。
からだが冷えやすく、貧血になりやすい方におすすめです。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

下腹部にたまった血液の塊を取り去り、血流をよくすることで婦人科系の機能を高める漢方薬です。
月経時にレバー状の血の塊があり、冷えのぼせを伴う方におすすめです。


漢方薬は体質に合っているかどうかが重要です。

体質に合っていないと効果を感じられないだけでなく、副作用が出る可能性もあります。

そのため、服用する際は医師や薬剤師などの専門家に相談し、適切な漢方薬を選んでもらうことをおすすめします。

健康的な生活を送って妊活を始めよう

妊活には健康なからだが欠かせません。

食生活や運動習慣など、生活習慣を見直し、妊活に向けて健康なからだを手に入れましょう。

<この記事の監修者>

横倉恒夫
横倉恒雄(よこくらつねお)医師
婦人科・心療内科・内科

医学博士/医師。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。
故・日野原重明先生に師事。
ストレスなどから不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。
新刊本『今朝の院長の独り言』(青春出版社)はポジティブなメッセージに溢れていると話題に。
快食脳ダイエット講座も好評。



木村 英子(きむらえいこ)
あんしん漢方薬剤師

北里大学薬学部・東京大学大学院医学系研究科卒。臨床検査技師。
厚生労働省検疫所・病院にて公衆衛生・感染症現場を経て、インドアーユルヴェーダの権威ミーナクシ・アフジャ博士に師事。
対症療法ではなく体質を根本改善することの重要さを痛感し、西洋医学をベースに東洋医学からのアプローチを取り入れ、アロマやハーブを活用した情報発信を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
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