ブロッコリーは栄養素が豊富な食材ですが、調理方法や食べ方によっては栄養素を効率よく摂取できない可能性があります。今回は管理栄養士の筆者が、ブロッコリーのNGな食べ方や調理方法、ブロッコリーに含まれる栄養素について詳しく解説します。正しい方法でブロッコリーの栄養素を効果的に摂取しましょう。
ブロッコリーに含まれる栄養素
ブロッコリーにはビタミン・ミネラル・食物繊維など、体にうれしいさまざまな栄養素が含まれているため、栄養価の高い食材といえるでしょう。ブロッコリーに含まれている主な栄養素と、それぞれに期待される健康効果について解説します。
ビタミンC
ブロッコリーには野菜の中でも多くのビタミンCが含まれています。ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠であり、皮膚や粘膜の健康のためにも欠かせません。またビタミンCには抗酸化作用があり、老化や免疫機能低下の要因となる活性酸素の働きを抑えるなど、さまざまな役割を持っています(※1)。
カリウム
カリウムは、むくみ解消のために重要な働きをしてくれるミネラルです。ナトリウムを体の外に排出し、体内の水分バランスを調整してくれます。血圧が気になる方は、高血圧の要因となる塩分を多く摂ったときに補給したい栄養素です(※2)。
ビタミンK
ブロッコリーに多く含まれているビタミンKは、カルシウムの代謝を促し、骨の健康を保つために重要な栄養素です。ビタミンKは油に溶けやすいため、ブロッコリーは炒め物や肉・魚など脂質を含む食材と一緒に摂れるといいでしょう。
食物繊維
食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれる働きがあります。腸内環境が整うことで便秘の予防・改善効果や免疫力アップにつながることが期待されています。また、食物繊維は血中コレステロール値を下げ、糖分の吸収をおだやかしてくれるため、積極的に摂ることが推奨される成分です(※3)。
たんぱく質
意外かもしれませんが、ブロッコリーには野菜の中でも比較的多くのたんぱく質が含まれています。たんぱく質は皮膚・筋肉・臓器・毛髪などの材料となり、健康的な体づくりに欠かせません(※4)。ブロッコリーに肉・魚・卵などを組み合わせると、骨や皮膚、筋肉などをつくる働きを増強させることが期待できます。
ブロッコリーのNGな食べ方
ブロッコリーには、体にうれしいさまざまな栄養素が含まれています。しかし、食べ方や調理方法によっては栄養素を効率よく摂れない可能性も。ここからはブロッコリーのNGな食べ方について解説します。
ブロッコリーの洗い方に注意
ブロッコリーは、その形状から汚れや虫が入り込みやすいため、正しく洗うことが大切です。ただし、強く洗うとブロッコリーが崩れてしまうため注意が必要でしょう。
ブロッコリーを洗う際はボウルに水を張り、小房に分けたブロッコリーを浸して軽く振るようにして汚れを落としましょう。ブロッコリーにはビタミンCが豊富に含まれていますが、ビタミンCは水に溶け出す性質を持っているため、長時間水に浸さないよう注意してください。
ブロッコリーを茹ですぎるのはNG
ブロッコリーを茹ですぎると、ビタミンCやカリウムなど水に溶けやすい栄養素が流出し、栄養価が低下してしまいます。茹でる場合はなるべく短時間にしましょう。栄養素を残すためには、蒸すか電子レンジで加熱するのもいい方法です。
ブロッコリーの茎を捨ててしまうのはNG
ブロッコリーの茎の部分は捨ててしまうという方もいるかもしれません。しかし茎にも栄養素は豊富に含まれているため、ぜひ食べていただきたい部分です。茎は硬いため、茹でたり蒸したりしてやわらかく調理し、細かくカットして炒め物やスープなどに活用しましょう。
ブロッコリーだけを食べるのはNG
ブロッコリーには多くのビタミンやミネラルが含まれていますが、体に必要な全ての栄養素を含んでいるわけではありません。ほかの野菜やたんぱく質を多く含む肉・魚・卵・大豆製品などの食材も組み合わせると、バランスが整いやすくなるでしょう。
また、ブロッコリーに多く含まれている食物繊維の摂りすぎは、消化機能を低下させる可能性もあります。食べすぎないように気をつけましょう。
栄養豊富なブロッコリーを毎日の食卓に取り入れましょう
ブロッコリーは栄養豊富なので、ぜひ日々の食事に取り入れていただきたい野菜です。効率よく栄養素を摂取するためには、茹ですぎないことがポイント。また、房の部分だけでなく茎も摂れるといいでしょう。食材はブロッコリーだけに偏らず、バランスよく食事に取り入れることが大切です。今回お伝えした「NGな食べ方」を避けて、健康維持に役立ててくださいね。
【参考】
※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 抗酸化ビタミン
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット カリウム
※3 厚生労働省.e-ヘルスネット 食物繊維の必要性と健康
※4 厚生労働省.e-ヘルスネット たんぱく質
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筆者情報
寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。
文/管理栄養士・寺内麻美