やめたらニオイ気になりません!【歯科医師が解説】口臭につながる「NG習慣」と予防法 – 文・椎原茜 | anan Beauty+

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自分の口臭、人知れず「ヤバい」と感じることはありませんか? マスクをする機会が減り、口臭をカバーできなくなったと感じている人も。実は口臭につながるNGな口内ケアや生活習慣をおこなってしまっているかも! 歯科医師で医療法人社団アスクラピア 統括院長の永田浩司さんに教わります。

口臭の原因って? 唾液の種類を知ろう

朝起きたときに、口の中がネバネバしてニオイが気になることはないでしょうか? 永田さんによれば、これは寝ている間に唾液の分泌量が減り、口の中の細菌が増えやすくなることが原因で起こる生理的口臭とのこと。誰にでも起きるので、気にする必要はないそうです。

ただし、日中にこのようなネバネバ唾液が多い状態が続くと、口臭が出やすくなってしまうといいます。そもそもネバネバ唾液はどんなときに出るものなのでしょうか。

永田さん 唾液にはネバネバ唾液といわれる粘液性の唾液と、サラサラ唾液といわれる漿液(しょうえき)性の唾液の2種類があります。ストレスなどによって交感神経が優位になると、ネバネバ唾液が分泌され、サラサラ唾液の分泌は抑制されます。このとき、口の中は唾液が減って渇いた状態になってしまいます。

一方、リラックスした状態で副交感神経優位になると、サラサラ唾液が分泌され、口の中をうるおった状態にしてくれます。

唾液にはさまざまな働きがあり、特に口臭に関係するのが自浄作用です。サラサラ唾液の分泌が少ない状態だと自浄作用が働きにくくなるため、細菌が増えて口の中の衛生環境が悪化。口臭だけでなく歯周病や虫歯のリスクも高まってしまうのです。

こう聞くと、ネバネバ唾液をゼロにしたほうがよいと思うかもしれません。でもネバネバ唾液にも、口の粘膜の保湿や保護、細菌の侵入を防ぐといった役割があります。大切なのはネバネバ唾液とサラサラ唾液がバランスよく分泌されることです。

ネバネバ唾液を増やすNG習慣5選

ーー口臭につながるネバネバ唾液を増やさないようにするにはどうすればいいのでしょうか。よくない口内ケアや日常生活で気をつけるべき行動を教えていただきました。

NG1. マウスウォッシュの使いすぎ

永田さん 市販のマウスウォッシュ(洗口液)にはアルコールが配合されている製品も多く、使いすぎると口の中を乾燥させてしまいます。乾燥はネバネバ唾液の大敵。口臭の原因にもなりますので、過度な使用はやめましょう。もちろん、製品に記載されている使用量や回数を守って使用すれば、アルコール配合でも問題はありません。

NG2. 舌を磨かない、または磨ぎすぎる

永田さん 口臭のもとになる物質は口の中のVSC(揮発性硫黄化合物)という物質。その主な発生源は舌苔(ぜったい)という舌の表面につく白い苔状のものだといわれます。

舌苔のケアは市販の舌ブラシで軽くこする程度で十分なのですが、口臭を気にするあまり力を入れてブラッシングしてしまう人もいます。こすりすぎは舌の表面を傷つけてしまい、口臭が悪化することもあるので注意しましょう。

NG3. 水分不足

永田さん 唾液は健康な成人であれば、1日に1〜1.5リットル分泌されます。唾液の99.5%は水分なので、体内の水分が足りないと分泌に影響してしまいます。

水分摂取が追いつかず、口の中が乾燥してしまうとネバネバ唾液が分泌されやすくなって口臭も発生しやすくなります。水分は1日に1〜1.5リットルを目安に飲用しましょう。

NG4. 糖分をダラダラと摂る

永田さん 糖分は口の中の細菌のエサとなるため、口の中に糖分が残った状態だと、ネバネバ唾液を生成しやすくなります。糖分の量や摂る回数が増えれば、当然、そのリスクは高まるわけです。ダラダラとお菓子を食べたり、糖分の多い炭酸飲料やフルーツジュースを飲んだりするのはできるだけ控えましょう。

ネバネバ唾液だけでなく、虫歯や歯周病の原因にもなります。お菓子は1日1回、時間を決めて食べる、飲み物は糖分の含まれていないものを選ぶなどを習慣に。また甘い食べ物や飲み物を口にした後は、必ず歯磨きをすることを徹底しましょう。

NG5. ストレスの多い生活

永田さん ネバネバ唾液は交感神経優位になったときに出やすくなるとお話ししましたが、交感神経優位になるのはストレスを感じたり、緊張したり、興奮したりしたとき。ストレスフルな生活が続いているのなら、働き方などを見直すことも一案です。

夜は副交感神経が優位になりますが、寝る直前に何かを食べると交感神経を刺激して口臭だけでなく、歯ぎしりの原因にもなることは覚えておきましょう。

普段から実践したい「舌ストレッチ」

ーーサラサラ唾液を増やして、口の中をうるおった状態にするために、普段からできることはあるのでしょうか。永田さんにおすすめの方法を教えていただきました。

永田さん 唾液は耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)という3つの唾液腺から分泌され、サラサラ唾液を出すのは主に耳下腺です。3本の指をそれぞれ頬に当てて耳の下(上の奥歯あたり)をゆっくりまわすようにマッサージすると、耳下腺を刺激して分泌を促すことができます。

さらに唾液の分泌を促すために欠かせないのが「舌力」。舌をしっかり動かすことも唾液の分泌につながります。唾液は食べ物をよく咀嚼することでも分泌されますが、咀嚼には歯だけでなく、舌力も大きく影響しています。

舌はほとんどが筋肉で、舌力は加齢によって衰えていきます。最近、滑舌が悪くなったと思ったら、それは舌力が落ちているサイン。舌を動かすストレッチで、舌の筋力をアップさせましょう。

【舌ストレッチのやり方】

1. 口は閉じたままで、舌を時計回りに10回動かします。

2. 反時計回りに10回ずつ動かします。

ーー口臭が舌と関係があったとは意外ですね。耳下腺のマッサージや舌ストレッチなら、いつでもどこでも簡単にできそうですね。早速、今日から習慣にして口臭予防に努めましょう。

Information

<教えてくれた人>

永田 浩司(ながた・こうじ)さん

歯科医師、医療法人社団アスクラピア 統括院長。インプラントを使った日本で数少ない「オールオン4インプラント」治療をはじめ幅広い治療を行っている。公式YouTube「アスクラピア東京」は登録者約5万人。

<筆者情報>

椎原茜
ライター。記事を通して、読者の方々に役立つ情報を知ってもらい、ハッピーかつ快適な生活を送っていただきたいという思いで執筆中。

(C)Antonioguillem/AdobeStock

文・椎原茜

https://plus.ananweb.jp/wellness/body/107047/

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