正常なおりものって?今さら聞けない悩みを徹底解説【婦人科医監修】

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なかなか相談しにくいおりものの悩み。

量や色など人と比べられないからこそ不安になりますよね。

おりものはからだの不調をあらわす大切なバロメーター。

今回はおりものに関する正しい知識を婦人科医の横倉先生に解説いただきます!

自分のからだの状態をチェックしてみましょう。

おりものとは

クエッション
出典:Photo-ac

おりものとは、膣から出てくる分泌液で、子宮、膣、汗腺からの分泌物が混じりあった液体です。

おりものの量は女性ホルモンのエストロゲンの量に左右されるため、エストロゲンの量が最も多くなる20代~30代はおりものの量も多くなります。

また、おりものには、細菌などが膣を通して体内に侵入しないようにする自浄作用や、精子が卵子までスムーズに到着するよう受精の手助けをする役割もあります。

おりものは、ただの分泌物ではなく膣内の健康を保つために必要不可欠な役割を担っているのです。

正常なおりものとは

乳白色
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おりものの色は乳白色で、時間が経つと黄色っぽくなります。

そして適度な粘り気があり、すこしすっぱい臭いがするのが正常です。

もちろん個人差はありますが、明らかに正常時とは異なっていたり、以前と比べて状態が変わっていたりする場合は要注意。

性感染症や子宮の病気が隠れているかもしれません。

最悪の場合、不妊の原因になることもあるため、いつもと違うと感じたら、早めに婦人科で相談しましょう。

注意すべきおりもの5つ

チェック
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性感染症や子宮周辺の病気の症状は、おりものの状態や身体症状にあらわれます。

代表的なものを紹介するので、あてはまるものがないか確認してみましょう。

白くボロボロしている

カンジダ膣炎の可能性があります。

おりものの量は多くなり、白いクリーム状のものが出ることがあります。

魚が腐ったような悪臭のおりもので、強い外陰部のかゆみ、ほてりや、刺激感、性交時の痛みなどの症状があるのも特徴です。

黄・黄緑色をしている

トリコモナス膣炎や淋菌感染症の可能性があります。

おりものは量が多く、泡状黄緑・異常な黄色、悪臭を伴います。

トリコモナス膣炎の場合は灼熱感、刺激感、外陰部のかゆみを、そして淋菌感染症の場合は、下腹部痛、発熱があることもあります。

血が混じっている

子宮頸がんや子宮体がんの可能性があります。

おりものの量や臭いにそこまでの変化はありませんが、おりものに血が混じることも。

性交時の出血や不正出血がある場合も注意が必要です。

水っぽいのが増えている

クラミジア感染症の可能性があります。

おりものは量が多くなることがあり、水っぽいテクスチャーになるのが特徴です。

下腹部痛や発熱を伴う場合もあります。

灰色で水っぽい

細菌性膣症の可能性があります。

おりものは量が多くなり、魚の腐ったような臭いがするのが特徴です。

強い外陰部のかゆみや刺激を感じる場合もあります。

おりものの悩みに漢方薬もおすすめ

生薬
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おりものの悩みは漢方薬で緩和・改善させることも可能です。

おりものの分泌と女性ホルモンのエストロゲンの分泌には関係性があるため、女性ホルモンのバランスを整えることで、症状の改善につながります。

また、おりものの異常は子宮内でトラブルが発生している場合に生じるため、子宮を健康な状態に保つことでも改善が期待できます。

以上のことから、

  • ホルモンバランスを整える
  • 生殖器の炎症を鎮める
  • 水分の循環をよくして、老廃物を排出し、おりものを軽減する
  • 血流を改善して膣に栄養を与える

といった効果がある漢方薬を選ぶのがいいでしょう。

<おすすめの漢方薬>

温経湯(うんけいとう)

生殖器を巡る血液とエネルギーの流れをよくすることで、おりものを正常に分泌できるようにしたりホルモンバランスを整えたりする効果が期待できます。
足腰が冷え、手足のほてりが気になる方におすすめです。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

血の巡りを改善し、体内にたまった熱を発散させ、女性ホルモンのバランスを整えることで、女性特有の不調に働きかけます。
のぼせ感があり、疲れやすさや精神不安の症状がある方におすすめです。


「漢方薬は種類が多くてわからない」という方も安心してください。

最近では、AIで自分にあった漢方薬を選んでくれるサービスもあります。

スマホから簡単に診断できるため、手軽に漢方薬を体験することが可能です。

漢方薬は、一時的な治療ではなく、体質を改善し、症状の根本的な治療が期待できます。

おりもの対策のひとつとして漢方薬をとり入れてみるのはいかがでしょうか。

おりものは健康のバロメーター

大人の女性であれば誰でも経験するおりもの。

べたべたしたり下着が汚れたりと、ネガティブなイメージがあるおりものですが、菌などの侵入を防ぐ役割があるだけでなく、隠れた病気を教える役割もあります。

性感染症や子宮の病気は、気づかないうちに感染を広げてしまったり、不妊の原因になったりすることもあります。

おりものの状態を日頃から観察しておき、異常があった場合は、早めに治療を行いましょう。

<この記事の監修者>

横倉先生
出典:あんしん漢方

横倉恒雄(よこくらつねお)医師
内科・婦人科・心療内科医

医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。
横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。
東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。
故・日野原重明先生に師事。
病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。
新刊本『今朝の院長の独り言』(青春出版社)は10万人の患者が癒されたポジティブなメッセージに溢れていると話題に。
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