チーズには体に必要な栄養素がたくさん含まれているため、健康や美容のためにもぜひ取り入れてほしい食品です。しかし、食べ方によっては健康によくない影響を及ぼす可能性もあります。そこで今回は、管理栄養士の筆者が「チーズのNGな食べ方」をご紹介します。チーズの適量や栄養価についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
チーズに含まれる栄養素
たんぱく質
たんぱく質は私たちの体をつくる重要な栄養素です。筋肉や臓器・皮膚・毛髪のほか、ホルモン・酵素・抗体などの材料になります。
また、チーズに含まれているたんぱく質は必須アミノ酸とよばれる体内で合成できないアミノ酸をバランスよく含み、良質なたんぱく質とされています(※1)。
カルシウム
カルシウムは骨を構成する物質であるため、不足すると骨が十分に成長せず、骨粗しょう症の原因になります(※2)。日本人はカルシウムが不足しやすいといわれているため、チーズを始めとした乳製品や魚介類、大豆製品などを適量摂ることでカルシウムを補うことが大切です。
ビタミンB2
チーズに含まれているビタミンB2は、脂質を体内で代謝するために必要な栄養素であり、特にダイエット中の方は積極的に摂りたいビタミンです。
また、ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康を保つためにも重要な栄養素なので、肌荒れを予防するためにも不足しないように摂れるといいでしょう。
チーズのNGな食べ方
脂質が多い組み合わせには注意
チーズは種類によって栄養価は異なりますが、どの種類にも脂質が多く含まれます。油の多い食事とチーズを一緒に摂ると、脂質を摂りすぎてしまい体脂肪の増加につながるため、組み合わせや量には注意が必要です。
また、チーズに含まれている乳脂肪は飽和脂肪酸とよばれ、摂りすぎは血中コレステロールの増加にも影響するとされます(※3)。チーズを食べたときはほかの乳製品を控えたり、低脂肪タイプにしたりなど調整するといいでしょう。
塩分の摂りすぎに注意
チーズには塩分が含まれています。塩分の摂りすぎはむくみや口の渇きを引き起こすほか、高血圧の要因にもなります。日本人の多くは塩分を摂りすぎている傾向にあるため、日ごろから食事での塩分量が多い人は特に注意が必要です。
また、カリウムを含んでいる野菜を一緒に摂ることで塩分を体の外に出しやすくしてくれます(※4)。
一度に食べすぎるのはNG
チーズは種類によってエネルギーが異なりますが、脂質も多いため高エネルギーになりやすい食品です。一般的によく家庭で食べられているプロセスチーズは、6個入りのものであれば1日2個までを目安に摂りましょう。食べすぎは肥満をまねく要因になります。
チーズのなかでもカッテージチーズは脂質やエネルギーが低いため、ダイエット中の方におすすめです。
チーズは食べすぎに気をつけましょう
チーズはたんぱく質・カルシウム・ビタミンB2などを補給できる食品ですが、食べすぎるとむくみや体重増加などにつながる可能性もあります。適度に取り入れれば健康や美容に役立ってくれますので、大量のチーズを食べることは控え、ほかの乳製品とも組み合わせながらうまく取り入れてみてください。
【参考】
※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 良質なたんぱく質
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット カルシウム
※3 厚生労働省.e-ヘルスネット 脂質異常症(実践・応用)
※4 厚生労働省.e-ヘルスネット ナトリウム
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筆者情報
寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。
文/管理栄養士・寺内麻美