5月の大型連休のあとに学校や会社に行きたくない、なんとなく体調が悪い、そんな方はいませんか? 学生や新入社員などが、新しい環境の変化についていけずに無気力になったり、眠れなくなったりするのを五月病と呼んだりします。今回は、朝の行動や習慣に焦点を当て、五月病の予兆と対策について詳しく解説します。
五月病とは何か?
五月病は、主にゴールデンウィーク明けに起こる心身の不調を指します。具体的な症状としては、無気力、憂鬱感、不眠、食欲不振など。これらは心理的な疲労やストレスが原因で、新たな環境への適応によるものが大きいとされています。
五月病の症状が出ているからといって、環境自体を変えることはなかなか難しいもの。まずは、自分の状態を整える習慣づくりをしていくのがおすすめです。
朝日を浴びる
まず、朝起きたら少しでもよいので朝日を浴びるようにしましょう。朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、一日のリズムが整います。朝日を浴びることで夜の快眠を促すことにつながるとされていますので、積極的に朝の光を浴びたいところです。
朝のルーティンの設定
朝一番に心地よいルーティンを設けるのもおすすめ。「今日も仕事にいくのが嫌だなぁ」と考えながら1日を始めるのではなく、健康的に1日のスタート切るために自分が心地よいと感じるルーティンを取り入れてみましょう。
例えば、軽いストレッチや深呼吸から始める、自分の好きな香りをかぐなど、心身ともにリフレッシュできるものを取り入れるといいですね。
予防のために、朝にやらないほうがいいこと
スマートフォンの長時間使用
朝起きてすぐのスマートフォンの使用は、情報過多によるストレスにつながることがあります。仕事のためにどうしてもメールチェックが必要という場合を除いて、起床後はスマートフォンを30分ほど見ないようにするなど、心穏やかに1日を始めるといいですね。
無理な運動
朝の時間に高強度の運動をすることは、体に負担をかけることがあります。起床直後の体はまだ覚醒していないため、軽いストレッチや散歩程度にとどめ、徐々に活動レベルを高めていくことが望ましいでしょう。
五月病の対策方法
生活習慣を整える
仕事や学業のスケジュールを適切に管理し、無理のない計画を立てることが大切です。特に連休明けは徐々に仕事に慣れるように心がけ、プレッシャーを感じすぎないようにすることが重要でしょう。
夜はしっかり眠って朝に起きる。食事もしっかりとって、運動するなど、無理のないルーティンを作ることで体内時計が整い、不調や不安が改善しやすくなります。運動はウォーキング、ヨガや瞑想など、負担にならないものがいいですね。
コミュニケーションを重視する
職場や学校での人間関係はストレスの大きな原因となることがあります。積極的にコミュニケーションを取り、孤立感を感じないようにすることも、五月病対策のひとつです。辛い気持ちをひとりで抱え込まないようにしましょう。友達や家族に相談できる場合は、話を聞いてもらうのがおすすめです。
自分のこころの健康状態が気になるけれども、医療機関を受診すべきかどうかわからないときがあります。そんなときは、近くにある公的な相談窓口を頼るのもいいですね。自分が何に不安を感じているのか、その原因を見つけることが大切で、その手助けとなります。
健康な毎日を送る習慣を身につけましょう
朝の行動や習慣は、五月病だけでなく、日常生活の質を高めるためにも非常に重要です。今日からできる小さなことから始めて、健康的なライフスタイルを築いていきましょう。毎日の小さな行動が、大きな健康へとつながる第一歩になることを忘れないでくださいね。
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筆者情報
ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは4人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は16万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ
産婦人科専門医/ママ女医ちえこ