「終活」というと、シニア層がやることで、30代や40代の方にはまだ早いと考えていませんか? しかし、もしものことは誰にも予想ができません。仮に今、自分にもしものことがあったら…。身の回りのモノが整理されていれば、遺された大切な人たちの負担を軽くできる、立派な「終活」ではないでしょうか。今回は整理収納アドバイザーである筆者が、30代からはじめる終活のポイントや、モノを整理するコツをご紹介します。
30代の終活は身の回りの整理から
終活といっても、葬儀やお墓の検討やエンディングノートの作成ばかりではありません。30代は身の回りを整理することからはじめるのがいいでしょう。大切な人たちの負担を少しでも軽減するためにも、終活として身の回りのモノを見直して整理していくことをおすすめします。
今の自分に大事なモノを選びとる
モノを整理するときに意識したいのは、「今の自分にとって大切にしたいモノを選びとる」ということです。手放すことを前提とするのではなく、大切なモノやお気に入りを残すように考えると、片付けが苦手な人も気持ちがラクになるのではないでしょうか。
今の自分にフォーカスすれば、以前は使っていたけど今は使っていないモノや、なんとなく持っていたモノが不要と判断できるようになります。
お気に入りや大切なモノに囲まれて生活すると気分よく暮らせそうですね。さらに大事なモノだけに整理された状態なら、結果的に遺された人の負担を減らすことにつながるはずです。
管理できる量にスリム化する
増えがちなモノは種類ごとにまとめる
- 書類
- 衣類
- 食品や日用品ストック
- 本や雑誌
これらはいつのまにか増えがちなモノですが、ひとまとめにして収納するだけでも、管理しやすくなります。特に各種契約に関する書類は、わかりやすく誰が見てもわかるように収納しておけば、遺族も解約手続きがスムーズになるでしょう。
書類の収納方法はたくさんありますが、今回はコスパよく簡単にできる方法をご紹介します。用意するモノは、クリアファイル・インデックスシール・ファイルボックスのみ。すべて100円ショップで購入可能です。
同じ種類の書類をクリアファイルに入れ、インデックスシールに何の書類かわかるように書くだけ。ファイルボックスに入れるときは、必ず左側から入れるようにしましょう。古い書類が右側に集まるので、書類が増えてまた整理するときに便利です。
口座やクレカは必要最低限にする
現在使っていない金融機関の口座やクレジットカードについても、必要なモノだけを残して整理しましょう。退職した会社で指定された給与用の口座や、以前よく行っていた商業施設で作ったクレジットカードなど、今使っていないモノがあれば解約してください。
SNSやサブスクも忘れずに
とりあえず登録してみたSNSや、利用頻度の少ないサブスクリプションサービスも、忘れずに整理しておきましょう。特にサブスクリプションは、亡くなったあとも料金を請求し続けられる恐れがあるため、よく使うサービスだけを残すようにしたいですね。
誰にも見られたくないモノはなるべく処分
仲の良い家族やパートナー、友人であっても、見られたくないモノは誰でもあるのではないでしょうか。日記や手紙、写真など、人に見られると恥ずかしいけど、思い入れがあって手放せないモノもあるかもしれませんね。終活として整理をするのであれば、なるべく早めに処分しておきたいところ。亡くなったあとは言い訳できないので、見られてもよいモノだけ残しましょう。
まとめ
30代で死を意識して終活をはじめることは、これからの生活を快適にすることにもなると筆者は感じています。今回紹介したことを面倒に感じるのなら、「今自分がいなくなったら」と想像してみませんか。できるところからでいいので、少しずつ身の回りを整えてみてくださいね。
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筆者情報
木村孝子
整理収納アドバイザー・住宅収納スペシャリスト・ライター。元汚部屋の住人。大量のものを手放したのちに手に入れた感動から、整理収納を本格的に学ぶことに。ズボラでも無理なく片付く仕組みづくりを伝えるべく、活動中です。Instagram@otaka_home
文/木村孝子