龍角散、ルル、パブロンどう違う?【薬剤師解説】ドラストで買える風邪薬の選びかた – 文・かえでら実子 | anan Beauty+

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病院に行くほどではないけど、喉の調子が悪い、咳や鼻水がでる、といった風邪の諸症状はありませんか? 自然治癒する場合もありますが、生活リズムが不規則になりがちな年末年始は、症状が長引いたり悪化してしまうことも…。そんな時に頼りたいのが市販薬。現役薬剤師のかえでら実子さんに、数多くある風邪薬の違いやオススメ、注意点を教えてもらいました。

風邪とインフルエンザは違います

12月に入ってから、仕事とプライベートともに忙しくされているかたが多いのではないでしょうか。体調を万全にして乗り切りたいところですが、体力の回復が疲労に追い付かず、うっかり風邪をひいてしまうこともあるかもしれません。

風邪というのは、のどや鼻の粘膜がウイルスに感染して炎症をおこし、くしゃみや鼻水、熱といった症状がでている状態のことをさします。原因となるウイルスはたくさんあり、どれが原因で風邪をひいたと特定するのは難しいことです。なので、風邪の治療はインフルエンザ治療薬のように“この薬で原因となるウイルスのはたらきを抑える”というものではなく、“今でている症状をそれに対応する薬で改善する”というものになります。

薬剤師からみた2023~2024年冬の風邪傾向

2023年はインフルエンザの流行が早く、風邪の患者さんも毎日たくさんいらっしゃいます。風邪症状にはさまざまなものがありますが、特に「これがつらくて…」と訴えられる患者さんが多いなと感じるのが、咳の症状です。インフルエンザにかかったあと、咳だけ残ってしまって、というかたもよくいらっしゃいます。

そこで今回は「忙しさで病院に行く時間なんかとれない!」「休みに入って体調が崩れてしまった」というかたのために、市販の薬の中から咳やのどの症状によく効く薬をメインにいくつかご紹介したいと思います。

幅広い風邪症状を改善するなら『新ルルAゴールドDXα(第一三共ヘルスケア株式会社)』

のどの炎症を改善するトラネキサム酸、咳止めのデキストロメトルファン、熱や頭痛をやわらげるアセトアミノフェン、鼻水をおさえるクレマスチンといった風邪症状を改善する成分が幅広くはいっています。7歳以上の子どもからお使いいただけるので、常備薬としてもおすすめです。

<商品情報>
新ルルAゴールドDXα
価格:90錠 ¥2,420(税込) 編集部調べ

長引く咳を改善したいなら『ルルアタックCXプレミアム(第一三共ヘルスケア株式会社)』

抗炎症成分である成分が、イブプロフェンとグリチルリチン酸の2種類はいっており、のどの腫れや痛みによく効きます。咳止め成分のジヒドロコデインリン酸塩酸とノスカピンのほかに、気管支をひろげて呼吸を楽にするdl-メチルエフェドリン塩酸塩、痰を切りやすくするカルボシステインも配合されており、咳を改善する効果が高い薬です。風邪をひいて数日たつのに咳が続いてつらい、というかたにオススメです!

<商品情報>
ルルアタックCXプレミアム
価格:18錠 ¥1,650(税込) 編集部調べ

風邪のひきはじめなら『パブロンゴールドA〈微粒〉(大正製薬株式会社)』

微熱や鼻水、痰のからみなど、風邪の諸症状に効く成分がバランスよく配合されています。粉タイプで溶けやすいため飲みやすく、12歳以上のかたから服用できます。風邪のひきはじめにおすすめです。

<商品情報>
パブロンゴールドA(微粒)
価格:28包 ¥2,057(税込) 編集部調べ

妊娠中や授乳中の安心なのは『メジコンせき止め錠Pro(シオノギヘルスケア株式会社)』

有効成分は咳止めであるデキストロメトルファンのみで、医療用と同量がはいっています。その他の有効成分はなにもないため、眠くなるのが困るかたや、他にも薬を服用していて飲み合わせが心配なかたに向いている薬です。また、妊娠中や授乳中のかたにも比較的安心して使用していただけます。

<商品情報>
メジコンせき止め錠Pro
価格:20錠 ¥1,452(税込) 編集部調べ

苦い薬を飲みたくない人は『龍角散ダイレクトスティック(株式会社龍角散)』

漢方の成分で構成されており、痰を改善するキキョウ、セネガ、咳止めのキョウニン、炎症をおさえるカンゾウといった成分が含まれています。この薬は細かい粉状になっており、水なしで服用することができます。漢方成分がのどの粘膜に直接作用することにより痰などの異物を押し出す効果があるため、のどに違和感があり咳払いが多いかたに効果的です。味はミントとピーチの2種類あり、苦い薬を飲みたくないかたにもおすすめです。

<商品情報>
龍角散ダイレクトスティック
価格:16包 ¥580(税込) 編集部調べ

気軽に飲める市販風邪薬の注意点

市販でも多くの種類があり気軽に飲んでしまいがちな風邪薬ですが、基礎疾患をおもちのかたは、服用にあたり注意が必要な場合もあります。とくに市販薬によく含まれているdl-メチルエフェドリン塩酸塩には、血管を収縮させて血圧を上げる作用があるので、高血圧の治療中のかたは服用前に医師や薬剤師に相談してください。また、風邪のひきはじめによく使われる漢方薬の葛根湯に含まれているマオウという成分も、同じように血圧を上げる作用があるため注意してください。

以上、身近な病気である風邪についてお話でした。軽い病気だと思われることの多い風邪ですが、悪化すると副鼻腔炎や咳喘息といった重い症状につながることもあります。手洗いうがいを徹底し、食事・睡眠をしっかりとって、まずは風邪をひかないようにすることが大事です!

文・かえでら実子

https://plus.ananweb.jp/wellness/91947/

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