雄大な自然に身を委ねながら温泉を心ゆくまで…仙台の奥座敷にある「界 秋保」でおこもり湯治体験を

ライフスタイル

由緒ある名湯の新感覚の宿で、ゆったりおこもり湯治体験。

秋保

写真・源泉掛け流しの内湯。漆喰の壁にはこけしが所々に。

朝から予定を詰め込んで、めいっぱい食も観光も味わい尽くす! そんな体力任せの旅もいいけれど、時には忙しない歩幅を緩め、深呼吸できる空間で、日常からしばし離れた温泉おこもり旅を満喫したい。

そんな時におすすめなのが、宮城県仙台市の中心部から車でおよそ30分ほどの秋保温泉郷。古墳時代に当時の天皇の皮膚病を完治させた日本三御湯(みゆ)の一つ。2024年4月に開業した「界 秋保」は、館内からは常に名取川の渓流をそばに感じられ、温泉旅ビギナーも満足できることうけあい。

チェックインし客室に入ると、壁やソファの紺碧色と窓ガラス越しに望む緑の調和が美しく、絵画のような光景が広がる。寝室の枕元の障子にいる“隠れこけし”を探すのも楽しく、館内随所に地元ゆかりの意匠が光る。

夕暮れが近づくころ、温泉を満喫。42°Cのあつ湯は源泉掛け流し、皮膚の乾燥や切り傷に効く泉質で肌がなめらかになる薄黄色の湯が心地いい。お風呂上がりの楽しみ方もいろいろ。湯上がり処で紫蘇ドリンクやアイスをいただきながら火照りを冷ますのもいいし、1階のせせらきラウンジもおすすめ。ドリンクを片手に、併設ライブラリーで本を手に取りテラスでくつろぐ贅沢な時間も。雄大な自然に身を委ね、自在に過ごす温泉宿の楽しみが、ここに。

秋保

眼下に名取川を見渡せる。

秋保

眠る前のじんわりとした明かりに心が休まる。

秋保

ご当地部屋「紺碧の間」は近隣の名勝、磊々峡(らいらいきょう)から着想を得た深い紺色がキーカラー。全客室から渓流の美しさを望める。

温泉宿で過ごす快適さが食にも空間にも至るところに。

「界 秋保」では温泉宿を初めて楽しむ人にもぴったりのアクティビティを複数用意。「温泉いろは」では、巻物を使用した講義形式で入浴前から湯上がり後の過ごし方を教わることができる。風呂桶から取り出したほかほかの源泉蒸しタオルを手に取りながら期待を高められるのも嬉しい。

湯けむりがたちのぼる中、お風呂を満喫したあとは季節の会席を半個室の空間で堪能したい。先付けは牛テールのディップ。添えられた宮城県の郷土食材、仙台麩にのせていただく。麩の軽さと仙台味噌の旨味が相性抜群。

また、夕食後にはご当地楽「伊達な宴」も行われる。伊達政宗公の軍旗をイメージした勝色の間で水玉柄の陣羽織を羽織り、当時にタイムスリップした気分で宴を追体験し、宮城の地酒を他のお客さんと共に酌み交わす。「戦勝、万歳!」の掛け声で宴はお開き。21時からせせらきラウンジで開催される生演奏に聴き入ったり、翌朝の「渓流釣り体操」で鮎釣りを模した動きで体をほぐしたり。一人の時間を満喫しつつ、温泉宿に集った偶然の出会いを楽しむひとときも。心ゆくまでおこもり旅を楽しみに足を運ぶのはいかが。

秋保

写真右・エントランスの自動ドアが開くと、絶景が眼前に広がる。写真左・外の自然と地続きとなれるようにフロントも緑を基調とした空間に。

秋保

写真右・仙台ガラスの工房で作られた、名物の秋保こけしをモチーフとした調度品がお出迎え。写真左・紺碧色の風呂敷に包まれたアメニティ。この風呂敷を持って秋保神社に行くと、オリジナルの御朱印をいただける特典も。

秋保

写真右・温泉に入る前に「温泉いろは」の講座で、温泉の歴史や作法を学べる。写真左・秋保神社でお祓いした笹と源泉で蒸したほかほかのタオルでのおもてなしも。

秋保

写真右・露天風呂で自然を全身に感じながらの入浴は格別。写真左・湯上がり後はせせらきラウンジでゆっくりと。お茶なども用意され、15時半から22時までは仙台駄菓子などのお菓子類や酒類も提供。

秋保

写真右・牛テールのディップは、バゲットではなく仙台麩にのせていただく。写真左・料理は脚付きの大名御膳で提供される。写真はお造りと八寸、酢の物が並ぶ宝楽盛り。

秋保

写真右・食事のあとは、ご当地楽「伊達な宴」で伊達政宗流のお酒の席を体験。写真左・朝食では、宮城の名物、太田とうふ店の三角揚げや芋の子汁を味わえる。

界 秋保 仙台市太白区秋保町湯元平倉1番地 TEL:050・3134・8092(界予約センター) 2名1室1名あたり・1泊2食付き¥31,000~ チェックイン15:00 チェックアウト12:00 アクセス/JR 仙台駅から路線バス・タクシーで約30分、または東北自動車道 仙台南ICより車で約25分。

※『anan』2024年10月30日号より。写真・小笠原真紀

(by anan編集部)

タイトルとURLをコピーしました