肥満を撃退する鍵は「眠り」にあり!睡眠の質を向上し、肥満リスクを減らす方法

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現代人は慢性的な睡眠不足といわれますが、「睡眠不足が太る原因になる」という話をご存知でしょうか?

実は、睡眠と肥満率には密接な関係があるといわれています。

今回は、睡眠と肥満の関係、そして睡眠の質を高めるセルフケアを、あんしん漢方薬剤師の山形ゆかりさんに解説していただきます。

睡眠と肥満の関係

脳のイラスト
出典:Pixabay

睡眠と肥満の関係で、まず重要になってくるのが、食欲増進に作用する「グレリン」と、食欲抑制に作用する「レプチン」というホルモンです。

睡眠が不足してしまうと、グレリンが増加する一方でレプチンが減少し、過剰に食欲が湧く状態になってしまいます。

たとえば、10時間睡眠した場合と比較して、4時間睡眠を2日続けただけでも、グレリンが増加、レプチンは減少し、食欲に影響を及ぼします。

さらに、覚醒のコントロールや、食欲の制御に関わる「オレキシン」という脳内物質も重要です。

グレリンの増加とレプチンの減少はオレキシンの増加を招きます。

その結果、食欲が増し、肥満の原因になります。

睡眠の質を高める3つの方法

晴れの日
出典:Pixabay

ここからは、睡眠の質を高める方法として、「メラトニンの生成」「寝る環境を整える」「日中の有酸素運動」について解説します。

メラトニンの生成

人間の1日の生活リズムを支えるホルモンが、睡眠ホルモンの「メラトニン」です。

朝、陽の光を浴びることで、メラトニンの材料になるセロトニンが分泌されます。

日中に分泌されたセロトニンは、起床してから14~16時間後にメラトニンに変化し、睡眠を促します。

規則正しい生活を続けるには、毎日同じ時間に起床し、日光を浴び、ホルモンを分泌して体内リズムを整えることが大事です。

寝る環境を整える

睡眠の質は、寝る環境によっても変わります。

カーテンは遮光カーテンに、照明は暖色系の間接照明に、寝間着は締めつけがきつくなく吸汗性の高い素材にするなどの工夫をして、寝やすい環境に整えましょう。

また、前述の睡眠ホルモンのメラトニンは、就寝前に光を浴びると分泌が遅くなるといわれています。

とくに、スマートフォンやパソコンの画面から出るブルーライトと呼ばれる波長が短い光は、睡眠にとって悪影響があるといわれているため、寝る直前にスマートフォンやパソコンを使用するのは避けましょう。

有酸素運動

運動には、酸素を多くとり込む有酸素運動と、酸素をあまり使わない無酸素運動があります。

激しい運動は睡眠の妨げになるので、負担が少なめで長く運動できるウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。

運動するタイミングとしては、就寝時間の3時間前くらいの運動が入眠しやすくなるといわれています。

ただし、就寝時間の直前は避けましょう。少なくとも、就寝の1~2時間前には運動を終えてください。

睡眠の質向上には漢方薬もおすすめ

香辛料
出典:Unsplash

睡眠の質を上げるには、漢方薬もおすすめです。

漢方薬は根本からの体質改善が目指せるだけでなく、西洋薬と比べて副作用リスクが少ないといわれているため、「睡眠薬を飲むのは抵抗がある」という人にもおすすめですよ。

睡眠の質の改善には、「自律神経の乱れを整える」「イライラや興奮を鎮める」「血流をよくして中枢神経の機能を回復する」という作用が期待できる漢方薬を使用しましょう。

<睡眠の質の改善におすすめの漢方薬>

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

脳の興奮を抑えてからだの熱を冷まし、イライラや不安などを落ち着かせて、不眠を改善する漢方薬です。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

体力は低下しているのにイライラしやすい人の神経の高ぶりを抑えて、自律神経を安定させる漢方薬です。


漢方薬は体質との相性が大切ですので、服用する際は医師や薬剤師などに相談したうえで、適切な漢方薬を選んでもらうことをおすすめします。

睡眠の質を高めて肥満を防ごう!

睡眠不足や質の低下は、食欲をコントロールするホルモンの分泌に影響し、肥満の原因になる場合もあります。

まずは生活のリズムを整えることを意識し、毎日ぐっすり眠れる習慣を身につけましょう。

<この記事を書いた人>

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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