無意識に“春バテ”してませんか? 女医が解説する「季節の変わり目不調」の特徴と対策 – 産婦人科専門医/ママ女医ちえこ | anan Beauty+

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春といえば、入学や就職、異動や転勤など、新生活の始まりとともに周囲の環境がガラッと変わるという人も多い季節ですね。多くの人々にとって心躍る時期であるとともに、新しい環境への不安が高まるという人もいらっしゃるでしょう。この季節の変わり目には、体調を崩しやすいという問題も。そこで今回は、女医の筆者が、季節の変わり目に特に注意すべき体調不良の特徴と、その対策について解説します。春を健康に、そして快適に過ごすためのポイントを押さえていきましょう。

春に起こりやすい体調不良とその原因

アレルギー症状

春は、花粉症をはじめとするアレルギー症状が現れやすい季節です。去年は大丈夫だったのに、今年はなんだか鼻がムズムズする…という方も多いのではないでしょうか。

アレルギー症状は花粉以外にも、ダニやカビなどのアレルゲンが原因となる場合も。くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状は、体内でアレルゲンに対する過敏反応が起こることで引き起こされるとされています。症状が強い方だと、鼻詰まりや頭がぼーっとするなどの症状で、仕事や勉強にも集中できないという方も多くいらっしゃいます。

自律神経の乱れ

春は気温の変化が激しく、体がそれに適応しようとする過程で自律神経が乱れがちです。自律神経は、体温調節や心拍数、呼吸など、意識せずに行われる体の機能を調整しているもの。その自律神経が乱れると、頭痛、めまい、不眠、または過眠といった症状を引き起こす可能性があります。

春バテ

「春バテ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、春になると体がだるく、疲れやすくなる現象のことを指します。

この時期は生活環境の変化に加えて、気温の変化に体が適応しようとするストレスも加わります。冬の間に蓄積された疲労、そして日照時間の増加による生体リズムの乱れによって体調不良を起こしやすいとされています。

日頃から気をつけるべきこと

規則正しい生活リズムを保つ

自律神経のバランスを整えるためには、規則正しい生活が大切。特に睡眠は、質と量を保つことが重要とされています。春は何かと忙しいかもしれませんが、夜更かしを避け、毎日同じ時間に就寝し、同じ時間に起床することを心がけましょう。

睡眠の質を高めるために、寝るときは部屋をしっかり暗くする、夕方以降はブルーライトを避ける、室温を適温に保つ、などの工夫も大切です。

栄養バランスの良い食事を摂る

春バテ対策として、ビタミンやミネラルを豊富に含む食事を心がけましょう。特にビタミンCは、免疫力の向上に役立つとされています。食事からの摂取が難しい場合は、サプリメントも上手に取り入れるといいですね。

アレルギー対策をする

花粉症などのアレルギー対策として、室内の空気を清潔に保つことが大切です。帰宅した際は、衣服についた花粉を払い落とし、こまめに換気を行いましょう。空気清浄機を活用したり、外出時はマスクやメガネを利用して、直接花粉に触れることを避ける工夫をしましょう。

ストレスをコントロールする

ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、春の体調不良を悪化させる原因になることもあります。環境の変化が起こりやすい春ですが、帰宅後や休日などは仕事や人間関係のストレスから距離を置き、趣味やリラクゼーションで心を休める時間を持つことが重要です。春は普段よりも意識して自分をいたわる時間を作るといいでしょう。

適度な運動習慣をもつ

春になると運動を始める人が増えますが、急に激しい運動を始めると体に負担がかかり、かえって健康を害することがあります。運動を始める際は軽い運動から始め、徐々に負荷を高めていくようにしましょう。運動習慣を作ることは、ストレスを軽減し、メンタルの安定や睡眠の改善にもつながるためおすすめですよ。

まとめ

体調不良を引き起こしやすい春ですが、適切な対策を講じることで快適に過ごすことができます。今回ご紹介したポイントを日々の生活に取り入れることで、春の体調不良を予防し、元気に過ごしましょう。今回の内容が、春の季節を健やかに、そして快適に過ごすための一助となれば幸いです。

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著者情報

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは4人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は15万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ

産婦人科専門医/ママ女医ちえこ

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