寒くても“ほてる”のがツラい…【女医監修】冬の更年期障害の「原因と対策」 – 産婦人科専門医/ママ女医ちえこ | anan Beauty+

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寒い冬の時期には、更年期障害としてのホットフラッシュやほてり、発汗といった症状が軽くなる傾向にあります。それでも突然の症状に不快な気持ちになったり、それ以外の症状に悩まされたりすることもあるはず。今回は、冬の更年期症状とその対策について、産婦人科専門医の筆者がお話していきます。

更年期障害の主な症状

更年期障害の代表的な症状には、ホットフラッシュ、ほてり、発汗、不眠、肩こり、倦怠感、イライラ、抑うつ症状などがあります。これらは、エストロゲンという女性ホルモンの減少が原因で起こります(※1)。特に冬の時期には、一般的によく知られているホットフラッシュなどの他、倦怠感や肩こり、抑うつ症状などが出やすくなると考えられます。

冬の更年期障害への対策

温度調節がしやすい服装を心がける

寒いと温かい格好をしたくなると思いますが、ホットフラッシュで暑くなったときにすぐに調節できるよう、重ね着をすることで寒さから身を守るのがおすすめです。症状が出たら、一枚脱いですぐに体温調節をしやすい服装だといいですね。

もし汗をかきやすいという場合は、汗を吸収しやすく、速乾性のある素材の下着を着用するといいでしょう。あまりに汗が多い場合は、着替え用の下着ももっておくと安心です。

冷やすグッズを携帯する

ホットフラッシュが起こると顔や頭がほてるという人が多いです。そのため、接触冷感タイプのスカーフやタオルを持っておくのも一つの手。ほてりを感じたらさっと首元を冷やすと心地よくなることがあります。冷却ジェルシートなどを使用するのもいいでしょう。

大豆イソフラボンを摂取する

大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをすることが知られています(※2)。そのため、大豆イソフラボンの摂取によって、エストロゲン低下による様々な症状を緩和できる可能性があります。豆腐・納豆・豆乳などから摂取できますが、食品で取り入れるのが難しい場合はサプリメントを活用しましょう。

適度な運動を取り入れる

全身の血流をよくするために、ウォーキングなどの運動を取り入れるのがおすすめです。血流がよくなると肩こりの改善が期待できるだけでなく、程よい疲れにより良質な睡眠につながりやすくなります。心と身体に余裕があるときには、自分が無理なくできるレベルの運動を取り入れてみてください。

バランスのよい食事をとる

肩こりや腰痛、疲れやすさなどで悩んでいる方は、食事でのタンパク質摂取が不足している場合があります。筆者は1日に体重1kgあたり1g程度の純タンパク質を摂取するのをおすすめします。例えば、体重50kgの女性であれば、1日に純タンパク質50g程度を目安にするのが望ましいでしょう。

また、イライラや不眠、抑うつなどのメンタル症状が強い場合は、ビタミンB6・B12・葉酸といった栄養素を摂ることで、メンタルの安定に大切なセロトニン(※3)の生成をサポートすることができます。また、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを十分摂ることも、メンタルの安定につながると考えられます。

十分な睡眠をとる

睡眠不足はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増やすなどの作用を通じて、更年期障害を悪化させる要因になります。睡眠不足だとメンタルも不調になりやすいため、注意しましょう。

リラクゼーションやストレス管理

ストレスは更年期障害の症状を悪化させるため、日頃からストレスをためないことが大切だと言えます。まずは、十分な睡眠をとることが第一。リラックスした状態で眠りにつけるように、アロマやヨガ、ストレッチなどを生活にとり入れるのもおすすめです。

また、有酸素運動はストレスホルモンによる悪影響を緩和すると言われているため、無理のない範囲で取り入れてみましょう。たとえば、早足でのウォーキング、ジョギング、水泳など。以前していたスポーツを再開するのもいいでしょう。

症状が改善しない場合は、医療機関での相談を検討しましょう

これらの対策をとっても症状が改善しない場合は、婦人科を受診することをおすすめします。更年期障害の症状には個人差が大きいため、自分で対策してみても日常生活に支障を来す場合には、漢方療法やホルモン補充療法などが検討されます。症状で悩んでいる方は、一度婦人科で相談してみると安心です。

【参考】
※1 公益社団法人 日本産科婦人科学会 更年期障害
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット 骨粗鬆症
※3 厚生労働省.e-ヘルスネット セロトニン
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筆者情報

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは4人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は15万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ

産婦人科専門医/ママ女医ちえこ

https://plus.ananweb.jp/wellness/femcare/91840/

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