基礎体温からわかること。測り方&コツ解説【婦人科医監修】

Beauty
基礎体温という言葉。

聞いたことがあっても、よくわからない人も多いのではないでしょうか。

基礎体温は、からだの状態を知るためにとても重要な指標です。

今回は、基礎体温とホルモンの関係や、基礎体温の測り方やそのポイントを婦人科医の横倉恒雄先生とあんしん漢方薬剤師の木村英子さんに解説いただきます。

基礎体温とは

体温計を眺める女性
出典:Unsplash

基礎体温とは、生命を維持するために必要な最小限のエネルギーしか消費していない状態のときの体温のことです。

簡単にいうと就寝中の体温のことですが、就寝中の体温を測ることはできません。

そのため、基礎体温は朝目が覚めてからだを起こす前に測ります。

排卵後には女性ホルモンの「プロゲステロン」が分泌され、基礎体温が0.3〜0.5℃程度上がり高温期に入ります。

その後、生理が始まると基礎体温が下がり、低温期へと移行するのです。

からだの状態を知るために、この低温期と高温期の変化の周期を知ることが重要です。

基礎体温からできること

高温期
出典:Photo-ac

基礎体温を継続して測っていると、その変化からさまざまなからだの状態を知ることができます。

ここでは、基礎体温から読み解ける女性のからだの変化について解説します。

生理日の予測

基礎体温の変化から、生理日を予測することができるのです。

排卵が起こると基礎体温が上がり、高温期に入ります。

一般的に、高温期は約2週間続き、その後体温が下がると月経が始まります。

そのため、高温期に入ったタイミングを知ることで、生理日を予測することができるのです。

排卵日の予測

基礎体温を測っていると、生理開始日と生理周期から、次の排卵日を予測することができるのです。

低温期から高温期に変わる時期に排卵があったと推定されます。

個人差はありますが、月経開始日から13〜14日目に排卵が起こることが多いといわれています。

PMSやPMDDへの対策

基礎体温を測ることは、PMSやPMDD対策にもなります。

PMS(月経前症候群)とは、生理前3〜10日の間にあらわれる下腹部や乳房の張り・痛み、頭痛、手足のむくみのような身体的な症状や、イライラや気分の落ち込みなどの精神的な症状のことです。

PMSの症状のうち、とくに精神的な症状が強い場合、PMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれます。

生理日を予測できれば、PMSやPMDDの症状があらわれる時期も予測できるため、仕事や予定をあまり入れないなど事前にスケジュールを調整して対策することが可能です。

基礎体温の測り方

寝ている女性
出典:Pixabay

基礎体温は、小数点以下2桁まで測定できる専用の婦人科体温計を用います。

朝目覚めたら、できるだけからだを動かさず布団のなかで寝たままの状態で検温します。

就寝前に、枕元に婦人体温計を置いておくといいでしょう。

測定するときは、婦人体温計の感温部を舌の裏側の付け根に当てます。

婦人体温計を舌で押さえ、口を閉じたまま測定が終わるまで安静にして待ちます。

測定が終わったら、基礎体温を記録してください。

検温中は、口で息をしないよう注意しましょう。

続けるためのコツ

基礎体温表
出典:Photo-ac

基礎体温は、毎日測定して変化を見ることが重要です。

ここでは、基礎体温の測定を続けるための3つのコツを紹介します。

毎朝起床後に測る

基礎体温は、毎朝同じ時間に測るのが理想です。

もし測定し忘れたり起床時間がずれたりしても気にせず、測定を続けることが大切です。

基礎体温と一緒に、測定時間も記録しておくといいでしょう。

基礎体温表を使用する

基礎体温表を活用しましょう。

病院や薬局で手に入りますが、インターネットからダウンロードすることもできます。

その日の最後に体調変化も記録

基礎体温だけでなく、体調の変化も一緒に記録しておくことがポイントです。

発熱や倦怠感などの体調不良や寝不足など、普段と違う体調のときには、その内容を基礎体温表に記載しましょう。

体調の変化も記録しておくことで、体調が基礎体温に影響するのかどうかわかりやすくなります。

女性特有の悩みには漢方薬もおすすめ

生薬
出典:Photo-ac

女性特有の悩みには、漢方薬もおすすめです。

漢方薬は体質改善を得意としており、根本からの改善を目指します。

女性特有の悩みの改善には、
「血流をよくして全身に栄養を運ぶ」
「イライラなどの精神症状に働きかける」
「自律神経系の不調に働きかける」という作用が期待できる漢方薬を使用しましょう。

<女性特有の悩みにおすすめの漢方薬>

温経湯(うんけいとう)

血流を改善して全身に栄養を行き渡らせることで、生殖器系の機能を高めます。
月経不順や不妊症など婦人科系の不調によく用いられる漢方薬です。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

からだにたまった熱を冷ますことで、心を落ち着かさせPMSによるイライラなどの精神症状を改善する漢方薬です。

漢方薬は体質に合っていないと副作用が起こる可能性もあるため、服用する際は医師や薬剤師などに相談し、適切な漢方薬を選んでもらうことをおすすめします。

基礎体温周期を知ろう

基礎体温は、約1か月周期で変化しています。

基礎体温は、からだの状態を知る重要な手掛かりとなり、生理日や排卵日を予測することができます。

基礎体温を測る習慣をつけて、からだの状態の把握に役立ててください。

<この記事の監修者>

横倉恒雄
横倉恒雄(よこくらつねお)医師
婦人科・内科・心療内科医

医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。
横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。
東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。
故・日野原重明先生に師事。
病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。
新刊本『今朝の院長の独り言』(青春出版社)は10万人の患者が癒されたポジティブなメッセージに溢れていると話題に。


木村 英子(きむらえいこ)
あんしん漢方薬剤師

北里大学薬学部・東京大学大学院医学系研究科卒。臨床検査技師。
厚生労働省検疫所・病院にて公衆衛生・感染症現場を経て、インドアーユルヴェーダの権威ミーナクシ・アフジャ博士に師事。
対症療法ではなく体質を根本改善することの重要さを痛感し、西洋医学をベースに東洋医学からのアプローチを取り入れ、アロマやハーブを活用した情報発信を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
タイトルとURLをコピーしました