健康のためを思っていたのに…医師が明かす「ヘルシーな食習慣の落とし穴」6選 – 文・椎原茜 | anan Beauty+

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健康や美容のために、ベジファーストや健康飲料の摂取などに励んでいませんか? でも、気付かないところに落とし穴があることも。今回は内科小児科医に、実は要注意な食習慣と正しい食べ方を教えていただきました。

健康やダイエットのために実践しているその食習慣……実は要注意かも!

世の中には、多くの健康的な食事法が提案されていますよね。多くの方が、何らかの方法を取り入れて実践しているのではないでしょうか。

例えば、炭水化物やタンパク質より先に野菜を食べる「ベジファースト」、朝食にフルーツを摂ること、果汁100%ジュースを飲むこと、またグルテンフリー生活などが挙げられます。

しかし、これらを実践しつつも、実はかえって不健康になってしまう落とし穴に気づかないまま続けていることもあるのです。

そこで今回は、『内臓脂肪 中性脂肪 コレステロールがみるみる落ちる 血液と体の「あぶら」を落とすスープ』(アスコム刊)の著者である内科小児科医の五藤良将さんに、健康によいと思われている一方で、実は注意が必要な食習慣を6つを教えていただきました。

実は注意が必要! 健康に良さそうな食習慣6選

1.ベジファーストを実践している

五藤さん ご飯やパン、肉や野菜よりも、食物繊維の豊富な野菜を先に食べることで、食後の血糖値の急激な上昇を抑える効果は確かにありますが、全体の食事バランスを考慮しないと、栄養不足に陥るリスクがあります。

栄養が偏ると、代謝機能が低下し、長期的には筋肉量の減少や代謝疾患のリスクが高まる可能性も。

特にタンパク質と脂質は、エネルギー代謝とカラダの修復に必要な栄養素ですので、野菜だけで満足せず、バランスの良い食事を心がけましょう。

2.美容のためにフルーツを毎日の朝食にしている

五藤さん フルーツに含まれる果糖は、肝臓で代謝されやすいため、過剰摂取は脂肪肝やインスリン抵抗性を引き起こすリスクがあります。フルーツのみの朝食は、急激に果糖が吸収されて血糖値が急激に上昇してしまいます。これが繰り返されると、カラダは糖を脂肪として蓄積しやすくなり、太りやすくなる可能性があります。

フルーツだけでなく、タンパク質や脂質も合わせて摂取するようにしましょう。

3.健康飲料や果汁100%ジュースをよく飲んでいる

五藤さん 健康飲料や果汁100%ジュースは健康的と思われがちですが、これらには果糖を含む糖質が多く含まれています。過剰に摂取すると、体重増加や糖尿病のリスクを高める可能性があります。

特に果汁やジュースとして摂取すると、食物繊維が除去されているため、より短時間で多量の糖質を摂取してしまいがちです。

これにより、空腹感が早く訪れ、過食を招きやすくなることがあります。頻繁な高血糖はインスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病のリスクを増加させる可能性があるため、適度な摂取を心がけることが重要です。

4.芋類を「野菜」と認識している

五藤さん さつまいもやじゃがいも、かぼちゃなどの芋類は、野菜と考えられがちですが、実際には高炭水化物食品であり、GI値(血糖指数)が高いです。そのため、過剰に摂取すると血糖値が急激に上昇し、長期的には糖尿病のリスクを高める可能性があります。

また芋類は、糖尿病食事療法のための食品交換表では「炭水化物を多く含む食品(Ⅰ群)」に分類されており、葉物野菜などの「緑黄色野菜(Ⅳ群)」には含まれません。この点にも注意が必要です。

適量を守り、他の低GI食品と組み合わせることで、血糖値の急上昇を防ぐことが重要です。低GI食品には、葉物野菜、ヨーグルト、大豆製品、チーズなどがあり、これらをバランスよく取り入れると良いでしょう。

5.太りそうなので脂質をあまり摂らないようにしている

五藤さん 脂質は避けるべきと考えられがちですが、適量の良質な脂質は健康維持に不可欠であり、極端に制限することで栄養不足やホルモンバランスの乱れを引き起こすことがあります。

とくにオメガ3脂肪酸などの良質な脂質は、心血管疾患の予防や脳機能の維持に重要です。脂質を適量摂取することで、全体の栄養バランスを保ち、健康的な体重管理にも役立ちます。

オメガ3脂肪酸を多く含む食品には、鮭やマグロ、牡蠣、くるみ、えごま油や亜麻仁油などがありますので、積極的に摂りましょう。

6.グルテンフリー食品を健康のために取り入れている

五藤さん グルテンフリー食品は、グルテンを避ける必要がない人にとっては必ずしも健康的とは言えず、栄養バランスが崩れることがあります。

特に加工度の高い食品は、食物繊維や必須栄養素が不足しがちです。そのため、グルテンフリー食品に偏らず、他の食品からも栄養素をバランスよく摂取することが大切です。

健康を心がけたい人におすすめ「あぶら」を落とすスープ

ーー健康によいと思って実践していることが、実は不健康になったり、かえって太りやすくなったりしてしまうとは驚きますね。もしより健康的な食事を心がけたいなら、先生が考案した「あぶら」を落とすスープを取り入れてみるのもいいかもしれません。

五藤さん 私の推奨する「血液と体の『あぶら』を落とすスープ」は、栄養バランスがよく、特に不健康な脂肪や糖分を控えめにしています。これにより、血液中のコレステロールや中性脂肪のレベルを低下させ、健康的な代謝を促進します。

このスープを飲めば適量の良質な脂質を摂ることができます。さらに食物繊維が豊富であるため、血糖値の急激な上昇を防ぎ、持続的な満腹感を提供し、過食を防ぎます。

ーー「あぶら」を落とすスープの素に使われる材料は、かつお粉やしょうが、玉ねぎ、しょうゆ、黒すりごま、エキストラバージンオリーブオイル、りんご酢、粉末緑茶と健康的なもの。これがとっても美味しいんだそうですよ。詳細が気になる人は、著書をチェックしてみてくださいね。

Information

<教えてくれた人>

五藤 良将(ごとう・よしまさ)さん

医療法人社団五良会理事長、竹内内科小児科医院院長。「医者としてのモットーは患者さんに寄り添うこと。融通がきき、患者さんが近づきやすい医者であること」で、「赤ひげ先生」に憧れて日々診療を行っている。

<筆者情報>

椎原茜
ライター。記事を通して、読者の方々に役立つ情報を知ってもらい、ハッピーかつ快適な生活を送っていただきたいという思いで執筆中。

(C)weyo/AdobeStock

文・椎原茜

https://plus.ananweb.jp/beauty/bodycare/108384/

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