五月病を防ぐために…【管理栄養士監修】今避けるべき「NG食事とおすすめの食べ物」 – 文/管理栄養士・寺内麻美 | anan Beauty+

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新年度が始まり、環境が変わった人もいるでしょう。5月の連休が終わったころは、期待とともに感じるストレスや不安から、五月病と呼ばれる不調を抱える人も少なくありません。メンタル不調を防ぐためには食事の選び方も大切です。そこで今回は、五月病を防ぐために避けるべきNGな食事と、おすすめの食べ物について解説します。

五月病とは

新年度が始まった直後は、新しい環境に慣れるためにもやる気に満ちた毎日を送っていたのに、5月の連休が終わったころにだるさを感じたり、体調不良になったりしたことはありませんか。新しい環境や職場に慣れようとする過程で受けるストレスや不安、疲労などによりモチベーションの低下などが生じることも多いといわれています。

メンタルの健康を保つためには人とのコミュニケーションや適度な運動などが効果的ですが、日々の食事もメンタルに影響を与えているでしょう。

五月病を防ぐために避けたい食事

甘いものなど間食を食べ過ぎる

スナック菓子やチョコなどの間食は気分転換にもなりますよね。しかし、ストレス解消に間食を摂る習慣がある人は注意が必要です。間食による摂取エネルギーが多いと食事量が減り、栄養の偏りや不足につながっている可能性があります。

また、間食を多く摂る習慣がある人は、そうでない人に比べてうつ病リスクが高くなるという説も。間食の適量は1日当たり200kcal程度ですので、適度に楽しみましょう(※1)。お菓子ではなく果物やヨーグルトなど、栄養価の高いおやつを選ぶのもおすすめです。

炭水化物に偏った食事

日々忙しいとパンやおにぎり、カップラーメンだけなどの炭水化物に偏った食事が多くなる人もいるかもしれません。しかしこのような食事は栄養バランスが乱れ、メンタルに影響を与える栄養素なども不足しやすくなります。

たとえば精神状態に影響しやすい「セロトニン」(※2)の材料となる「トリプトファン」は肉や魚などに多く含まれるため、不足しないように毎食摂りたいものです。主食・主菜・副菜のそろった食事を心がけましょう。

朝食欠食など不規則な食生活

食事の時間が不規則になると、生活リズムの乱れや睡眠不足にもつながります。その結果、心と体のストレスもたまるという悪循環に陥りやすいのです。

特に朝ごはんを抜くと、脳のエネルギー源のブドウ糖が不足し、頭がぼんやりしたまま集中力が持たない可能性も。仕事や勉強の効率も下がり、精神的なストレスにつながります(※3)。朝ごはんを抜く習慣になっている人は、ヨーグルト・果物・味噌汁など、食べやすいもから摂ってみてください。

五月病を防ぐためにおすすめの食事

トリプトファン

トリプトファンとは、脳内の神経伝達物質「セロトニン」を作る原料となるアミノ酸の一種です。セロトニンは心を落ち着かせる働きがあるため、不足すると不安やうつなどの精神症状がおこりやすくなるといわれています。

トリプトファンは肉・魚・玉子・大豆製品などのたんぱく質が多い食品のほか、バナナやナッツなどに多く含まれています。これらはぜひ日々の食事に取り入れましょう。

ビタミンC

野菜や果物に多く含まれているビタミンCは「抗酸化ビタミン」と呼ばれ、ストレスから体を守る働きを担っています(※4)。ビタミンCはピーマンやブロッコリー、キウイやいちご、ジャガイモやさつまいもなどに多く含まれます。日々の食事で野菜や果物を意識して摂れるとよいでしょう。いも類に含まれているビタミンCは加熱しても壊れにくくおすすめです。

体内の鉄が不足すると、疲れやすさ・めまい・頭痛など、貧血の症状があらわれやすくなり、メンタルにも影響をおよぼす可能性が示唆されています。特に女性は鉄が不足しやすいため、食事から摂って鉄不足を予防しましょう。

鉄はレバー、ひじき、赤身の肉や魚、小松菜・ほうれん草などの野菜、納豆や豆腐などの大豆製品などに多く含まれています。鉄には、肉や魚など動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、野菜などに含まれる「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収がよいため、積極的に摂れるとよいでしょう。また鉄はビタミンCを一緒に摂ると吸収しやすくなります(※5)。

食生活に気を付けながら五月病を乗り切りましょう

五月病の予防には、今回お伝えしたような食事のポイントに加え、充分な睡眠や運動、リラックスする時間を持つことも大切です。ストレスをためないよう適度に気分転換できるといいですね。心配な症状が続く場合は専門家への相談をお勧めします。心身の健康を保ち、楽しい春を過ごしましょう。

【参考】
※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 間食のエネルギー(カロリー)
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット セロトニン
※3 農林水産省.朝食が大事なワケ
※4 厚生労働省.e-ヘルスネット 抗酸化ビタミン
※5 厚生労働省.e-ヘルスネット 鉄
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筆者情報

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。

文/管理栄養士・寺内麻美

https://plus.ananweb.jp/wellness/innercare/101052/

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