「月経痛が辛くて仕事を休みたいのに、言い出しづらい」「月経痛の辛さを周りにわかってもらえない」など、月経に関する悩みは人それぞれ。そこで今回は、anan Beauty+ clubのメンバーに「月経と仕事」についてアンケートを実施してみました。女性たちは月経中、職場でどのように過ごしているのか。また職場はどの程度理解があるのかなど、コメントをたっぷりご紹介していきます。
月経が理由で仕事を休みたいとき、何て言う?
anan Beauty+ clubのメンバーに月経で仕事を休んだことがあるか聞いてみたところ、約4割が「YES」と回答。さらに、仕事を休んだときに上司や同僚になんと伝えたか聞いてみると、2通りのパターンが返ってきました。
「月経がしんどいことを伝えて休みました」(31歳・専門職)
「素直に伝えました」(33歳・その他)
「体調が良くないとぼやかしました。風邪と伝えたこともあります」(40歳・自営業)
「体調不良とふわっと言って休んだ」(40歳・その他)
月経痛で休むことは悪いことではないはず。しかし、まだまだ言いづらい、伝えるのが恥ずかしいなどの理由から、理由を隠して休んでいる人も少なくないようです。
中には「基本は月経痛がひどいので休みますと伝えていたが、体調が悪いと伝えることもあった」(40歳・専門職)と伝え方を模索している人も。周りの理解度によっても、伝えやすさは変わってきそうです。
※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。
休めないときの対処法は?
休みを申請しづらい、大事な仕事があるなどの理由から、辛くても仕事を休みづらいときもありますよね。そうしたときの対処法を聞いてみると、ほとんど全員が「痛み止めを飲む」と回答していました。
「痛み止めを飲んでやり過ごす」(32歳・会社員)
「痛み止めを飲んで、お腹にカイロを貼って、それでもしんどいときはお手洗いに逃げてました」(40歳・自営業)
痛み止めだけで対処できないときは、お手洗いに逃げるというコメントも多くありました。痛み止めが効くまでの間だけでも、なるべく安静にしていたいものですよね…。
中には「リモートワークですぐに休めるようにしている」(29歳・会社員)というコメントも。リモートワークを取り入れている会社であれば、うまく活用したいところです。
職場の理解は“まあまあ”?
「職場は月経で休むことに理解がありましたか?」という質問には、67%が「YES」と回答。それなりに理解があると感じている人が多いものの、3割近くの人は疑問を抱いているようです。
それぞれの回答の理由について見ていきましょう。
YESと回答した理由
「美容クリニックで若い女性ばかりの職場だったのもあり、とても理解があった」(31歳・専門職)
「女性が多い職場だったので」(33歳・その他)
多かったのは、女性が多い職場であるというコメント。男性に理解がないというわけではないものの、やはり経験者の理解度は高いようです。
「同僚が月経痛で休んだとき、心配して労ってくれてたから」(29歳・会社員)
心配してくれる人が一人でもいると、なんだか救われた気持ちに。辛いときはお互いさま。助け合いながら働きやすい職場を作っていきたいものですね。
「月に一度、月経を理由に遅刻やお休みをしていい制度が一応あった」(40歳・専門職)
制度として会社が取り入れてくれると、休みやすさを感じられそう。筆者も以前、月経休暇制度を備えた会社に勤めていたことがあり、ありがたく感じていました。
NOと回答した理由
「月経痛で休んでいる人の悪口を聞いてしまったから」(40歳・その他)
「後輩から職場に生理痛がひどくて欠勤したいと電話があったとき、女性スタッフ数名が嫌味を言っていたから。痛みの度合いが目に見えないため、なかなか理解を得るのが難しいなと感じた」(44歳・主婦)
一方、「NO」と回答した人のコメントはなかなか辛辣。痛みや辛さの度合いは人それぞれであるにもかかわらず、自分の軸に当てはめてしまうと理解が難しいのかも。本当に辛い人もいるのだということが、より深く、より広く認知されることを願います。
会社で起きた月経に関するトラブル
月経の辛さと戦いながら仕事をしていると、思わぬトラブルに見舞われてしまうことも。これまでどんなトラブルを経験してきたのか、エピソードを聞いてみました。
「会議が長引きトイレに行けず服に経血が漏れてしまった」(40歳・会社員)
「早く月経が来てしまった日に限って白いパンツを履いていて、パーカーを巻いて何とか過ごしたことがあります」(40歳・自営業)
もっとも多かったのが、経血漏れトラブル。予定外の月経や予想以上の出血により、衣服が汚れてしまった経験があるとのことでした。
「経血量が多い2日目、仕事のユニフォームに経血がついてしまい、同僚が教えてくれて着替えに行った」(31歳・専門職)
「外での仕事でナプキンを変える時間がなく、服に血が染み付いてしまい、男性に教えられてとても恥ずかしかった」(40歳・その他)
自分で気づくより先に、人から指摘を受けたというコメントも。教えてくれてありがたいものの、恥ずかしい気持ちもありますよね…。
「予定外の月経で痛み止めを持っておらず、痛みで仕事にならなかった」(32歳・会社員)
早退したいと言えない環境だと、かなり辛いかも。1日目の月経痛が重い人は、タイミングがズレることも考えて数日前から痛み止めを持ち歩いておくと安心ですね。
周囲の月経トラブルに居合わせた人も
アンケートによると、同僚の女性が月経トラブルにあっているのを目撃した人も2割程度いるよう。そのときのエピソードを教えていただきました。
「椅子に血がついてしまった方がいたので、一緒にこそこそっと拭きました」(40歳・自営業)
「白のスカートに少し血がついているのがわかった」(40歳・専門職)
経血漏れは、対処が大変。一人だとパニックになってしまうこともあるため、見かけたらこそっと助けてあげるといいかも。
「現場で月経痛がひどくて早退したいと言われました。辛そうだったので帰ってもらい、周りの人にも体調不良と言って場を収めました」(33歳・会社員)
周囲の人を混乱させずその場を収めた手腕、さすがです。困ったときは助け合っていきたいものですね。
より理解のある社会になっていきますように
月経に関する理解が少しずつ広まっているとはいえ、まだまだ完璧とは言えません。月経痛やPMSについて言い出しづらい環境にあったり、辛さが理解されづらかったりと、課題はたくさん残っています。
全員が完璧に理解をして尊重し合うのは難しいのかもしれませんが、少しでも社会が理想的な姿に近づいていくといいですよね。
筆者情報
比嘉桃子
1992年生まれのフリーライター。化粧品検定1級を保有しており、美容ジャンルを中心に執筆中。いち消費者としてもコスメやスキンケアを愛する美容オタク。
(C)motortion/Adobe Stock
文・比嘉桃子